蔵出し

ゆうえんち

【mirror house】

他人の希望は　私の絶望

他人の絶望は　私の絶望

他人の絶望は　私の希望

他人の希望は　私の希望

では　私の絶望は？

では　私の希望は？

他人の真実は　私の虚実

他人の虚実は　私の虚実

他人の虚実は　私の真実

他人の真実は　私の真実

では　私の虚実は？

では　私の真実は？

歪んだ鏡の迷路の果てにたどり着くのはいつだろう

そこには探し求める実体の私がいるのだと

割れた音色の音楽がやかましく囁くばかり

【coffee cup】

回って

回って回って回って

自転は為すがままに

巡って

巡って巡って巡って

公転はされるままに

いつか

光も影も

心も体も

天も地も

全てが

混ざり合って溶け合って

焦がし合って崩し合って

だけど

確固とした姿を保って

残るんだろうなあ、

この想いは。

【ferries wheel】

ここは

天使の領域

翼持つ者の世界

薄いガラス越しに

見やる

真っ白い翼の

涙で顔を汚した天使が

ぺたり

と

掌をつけて

何か

呟いた

やがて

地に足をつけて上を見る

霞がかって

何も見えない

【merry-go-round】

君を乗せて

僕を乗せて

まわれ、まわれ

永遠に終わりのない

追いかけっこのようだね

見えそうで見えない

君の姿

君を乗せて

僕を乗せて

まわれ、まわれ

木馬は体を揺らしながら

本当は同じ場所に留まっている

どちらも逃げてはいないのに

君も僕も

君を乗せて

僕を乗せて

まわれ、まわれ

音楽が止まっても

このままだろうか

それとも

捕まってくれるだろうか

君を乗せて

僕を乗せて

まわれ、まわれ

答えが出るまで

いつまでも

【jet coaster】

高い高い高いところから

滑り降りる

低い低い低いところから

駆け上がる

天にも地にも

近づけずに

ただその狭間で

どこにも行けずに

その爆発するような苛立ちだけを

定められたレールの上に流し続ける