第2-1話 小さな村・ヌアザへ行きたい
立ち上がった俺は周りを見渡す
これといって見つかったものは、「リンゴのようでそれでもない果実のなる木」「遺跡とかそういうのによくある石の祭壇みたいなもの」「そこまで透き通って見える、とても綺麗な水がそそぐ滝」こんなものだ
ここは、日本ではない。いや元いた世界ですらない
俺は数十秒考えた後に悟ってしまった
選択肢が2つほどある
一つは「ここは天国」
……これだとすれば、実に哀しい
もう一つは「ここは異世界」
ほら、よくあるじゃん?ふとした事から異世界に飛ばされて、そっちの方で無双したりハーレム作ったりするやつよ…
とにかく、ここにいても仕方ない。行くk…
「待ちなされ待ちなされ…」
なんだこの爺さん。ローブをまとい杖を持ち、これはまさしく、
「あなたは、賢者…?」
「見る目があるじゃないか」
さいですか…
「お主ももう勘づいておられるようだが、ここはさっきまでお主がいた世界ではない」
やられた。完璧にやられた。
「俺をこの世界に召還したんですね」
「うむ」
「今夜友達とカラオケするんです。ついでに次の週には定期考査があるんです。帰して頂けませんか」
「夢がないのう」
「さとり世代、てやつですよ」
「まあここまで来た以上、もう戻れはせぬぞ 支度をしたくば、ヌアザの村に行くがいい」
戻れないならば仕方がない。この世界での衣食住を整えよう…。
続
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