異世界で神になったけど、質問ある?

ふくらはぎ

序 


俺は何で今、ここにいるんだ?

まぁ、とりあえず、目の前のコレをどうにかしないとな。


さて、始めるとするか……。


俺は静かに喋り始めた。


「被告人、事件当日、どちらで何をしていましたか?」


俺は裁判官席で被告人である女のコを目の前にしていたのだった。

女のコは俺の目を見ることもなく、怯えながら答えた。


「私は……家でお料理をしていました……」


 このコ。 か、可愛い!


「ち、ちなみにどんなお料理ですか?」


「に、肉じゃがです……」


「そ、そうですか。それはいいですね」


  ぜひ、俺と結婚しよう。


俺は頬を緩めて、頬杖をついて女のコを見ていた。

その様子を見て、被告人の弁護人は俺に対して、険しい顔つきで言った。


「裁判官!この被告人は窃盗の疑いでここにいるのです!いくら肉じゃがを作れるからと言ってですね——」


 そこの話を広げるんだ……。めんどくせえなこの弁護人……。こういう時、なんて言えば良いんだろう。あ、思いついた!


俺は一度深呼吸をして、あたかも冷静でいるようにして、言い放った。


「静粛に。静粛にお願いいたします。それでは、被告人に猶予期間としまして、一週間を与えます。それまで安静にしているように」


あたりは一瞬、静かになった。しかし、被告人の弁護人は納得のいかない表情で俺のことを見ていた。


 うお〜!!!!決まった〜!!これ言って見たかったんだよなぁ!!


「……裁判官っ!異議あり!」


「いや〜もう終わり!はい、終了〜!」


俺はさらっとそう言ってから、閉廷させようとした。弁護人は歯ぎしりをしながらも、黙っていた。被告人の女のコは、依然として下を向いている……。俯いた顔も可愛い。


俺は今、一体何をしているというのだろうか。

以前までの生活からは考えることができない。ことの経緯を説明しようとすると随分と時間がかかる。しかし、暇なので説明しようかと思う。

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