第二章 神の遊戯

第二章 プロローグ

 ド、ド、ド。

 

 鬱蒼と生い茂る森の中、息を殺し、大木の影に身を潜める。

 

 ド、ド、ド。

 

 少し離れた場所を鼻をひくつかせながら何かを探すように歩いている巨大な魔物。

 

 ドン、ドン、ドン。

 

 はらに響く足音が、魔物の巨大さを伝えてきた。

 

 ドン、ドン、ドン。

 

 泥に塗れたマントで右太腿の怪我を隠すが、見つかるのはもう時間の問題だろう。

 

 ズドン、ズドン、ズドン。

 

 段々と近くなってくる足音。

 

 ズドン! ズドン! ズドン!

 

「ランス、お前だけは生きて戻ってくれ」

 

 ズドン……

 

 迷っている暇はもう無い。

 

「行け! 我はエクシア王国近衛騎士団オーランド! 同胞の無念ここで晴らさせてもらう!」

 

 ランスロットが後方に走っていく音を聴きながら、剣を抜く。


「……頼んだぞ」


 ウオオオオオオオオオォォォォーーーーー!!!!

 

 魔物の咆哮が森に響いた。

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