第2話
「倒したかい?」
私の後ろに男がおり、私は銃の手入れをする。
「倒したよ、これ何回目かな」
また、同じ人だった。
君が悪くて仕方がない。
手に掛けた人物が平然と戻ってくるのはホラーだ。
向こうも私をホラーと思っているのだろうけど。
浮く銃のホラー要素はありまくる。
「しつこい奴だねぇ、努力は買うけどさ。
所で、僕は君をナンパしに来たんだけど」
「あら嬉しい、でも今は銃の手入れが忙しいからまた今度ね」
男はそう、といって諦めたようだ。
ナンパといっても色気なんて無く、
手を組まないかという誘いである。
あいにく、状況もわからないまま組む程、お尻は軽くないのだった。
状況か。
「君はさ」
私は銃を弄る手を止めた。
「この状況をどう見る」
感想が聞きたかった。
「状況、状況か。拉致されて、個々に能力を与えられ。目的を与えられることもなく放置されている。この現状のことかい」
「そう、それ」
彼は顎に手で触れた
「まあ、間違いなく、誰かの陰謀?」
半笑いである。
そして目の間を摘んだ
「とはいえなぁ、俺らを連れてきた白ヒゲの男が黒幕なんだろうけどさ、利益が見えないんだよ
能力を与えといて何かさせるんなら分かるけど。」
嫌な予感がすると彼は言った。
確かに、目的が金という即物であれば、
金以外は奪われないという、どことない安心感がある。(幻の安心だけど)
(利益か、でもいい着眼点かも)
目的がないことは私たちを疑心暗鬼にさせ、疲弊させるものだ。ということはその疲弊させることが目的?
でも疲弊させて何の意味が…
「ゲームとかだったらドロップアイテムなんだろうけどな」
私の能力が結晶化、物理化
「ワンピの悪魔の実でも作るのかな?」
なかなかいいジョークだ
「おお、なんかそれっぽいな」
乗ってこられた…
「ワンピ好きなんだ」
彼が笑う、私の顔が赤くなる
「謀ったな…」
好みを探られた…不覚だ。
「連れてこられる前さ、何してたの?
君はどんな奴だった?」
「そうだね、渋谷で援交してたよ」
「!」
「嘘だよ」
「あ、ああ」
「聞いても覚えてないから答えられないのはわかるでしょ」
だけど、感情的に悔しくはある
だから、自分がどこの誰かと、答えられるよう
思い出したい。
「この話はナシだ!
君の能力に名前はある?」
「名前だと?」
子供か
「そういう趣味はないなあ」
「あいわかった、みなまで言うな。そいつは良くない。俺が付けてやる。どんな能力なんだ?」
「…………私が武器と認識したものが浮いて、
敵と認識したものに攻撃を仕掛ける。」
フェイクを相当入れている
答える必要があった。彼の、この男の後ろ側にいる奴のことを考えると。答えた方が長生きできるから。
「それはいつまで?」
「敵が死ぬまで」
これも嘘だ。
「…永久に追いかける、銃…アサシン
フォーエバーアサシン、だな」
なるほど、だせえ
「いいんじゃないかな。エターナルフォースブリザードみたいで、かっこいいよ」
「引いてんじゃねぇ!」
私の能力はフォーエバーアサシンである。
この男によって決まった。
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