能力バトル物

ハルキ

第1話

「やあ、目が覚めたかね?

君はこの箱庭で自由に行動してくれたまえ

疑問も何も存在しなくていい。

思うがまま、歩んで欲しい」


これは回想である。

自分が誰だったかは思い出せず、1番古い記憶といえばこれになる。

自分が初めて意識を持った瞬間を覚えているだろうか。それ以上前は怖くて思い出せない。今の自分に1番近い感覚はそれだ。


白い街だ。私は白い街にいる。

シンプルで飾り気のない、建物の入り口にはドアすらなく、窓は最早 穴と呼べる代物。

砂糖を固めて作った疑惑すらある。


匂いはどことなく甘い。気のせいかもしれないが。


石畳の地面は歩きやすい。

人は見当たらない。だが、確実に居る。

何故なら僕は殺されて居るからだ。


誰かに。


だが、それは大したことではない。

問題は殺され続けていること。

34回.34回である。


毎回同じではなく。

時々同じ。

つまり複数人いて、同じ人物に殺されたのが何回か


自分は頭が現状に対応していない。

だからわかるのは、空中に浮いた銃に撃たれて

何回か死んだこと。

これの持ち主が敵だということ。


次があるということ。


さあ次だ。次こそは、持ち主の、君に会って見せーーーー〜。

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