第18話 トイレトーク。
充実していたと言えば良く聞こえる昼休みももうすぐ終わってしまうので、授業が始まる前にトイレに行くことにした。
トイレに着き、ドアを開け中を見ると、そこには守屋がいた。
「おー、かすがっちじゃーん!どした?」
どしたって、トイレしかないだろ。
あと、かすがっちはやめてほしい。
「あ、トイレだけど。」
「それもそうか!」
「うん。」
特に話すこともないのですぐに会話が終わった。
しかしここには2つしかトイレがなく、自然と守屋の横で用を足すことになり、何かを話さないといけないような雰囲気になってしまった。
せっかくなので噂のことについて聞いてみることにする。
「あー、あのさ、いきなりだけど秀也くんの噂とかってどう思う?」
聞き方や内容がまずかったのか、はたまたそれ以外なのかはわからないが、
「ん?彩ちゃんとのこと?」と答える守屋はどこか不機嫌そうだった。
「う、うん。そうだけど…。」
「さぁ?俺はよく知らないから。ちなみにそれって平本ちゃんのために聞いてる感じ?」
「ためってわけじゃないけど。なんか、その、気になって。」
「ふーん。まぁ俺も平本ちゃんのこと応援するし、何か手伝えることあったら言ってくれよ!」
「え、ありがとう。」
「おう。それにかすがっちと綺羅ちゃんのことも応援してるからな!頑張れよ。」
最後にそう言って守屋はトイレから出ていった。
龍ヶ崎のことは勘違いなのだが、平本のことを手伝ってくれるというのは少し嬉しかった。
ただ彼には手を洗ってから出ていってほしかった。
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