第10話 明日はもっと。
とりあえず歩こう。
なんとなく、こっちから来たような気がするという方へ向かうことにした。
数分ほど歩くと見覚えのある道へ出た。
それからはあっという間で、すぐ家に着くことができた。
家に入り、まずは犬に舐められた顔を洗う。
次に部屋へ行き、大事なときに役に立ってくれなかった携帯電話を充電器に挿した。
役に立てなかったのは持ち主のせいだ。なんて、携帯電話は言わず、充電開始の音だけが鳴った。
そして、ベッドで横になり、寝る前に今日の出来事を思い出す。
朝からヤンキーに絡まれ、保健室の先生に飴を貰い、クラスの誰とも話さず、ランチに美少女が手作りした焼きそばを食べ、お散歩へ行き、知らないお姉さんにキレられ、最後にギャルの飼い犬から舐め回される。
今思えば、すごく充実していた。
もしかしたら、こういうことの積み重ねが青春なのかもしれない。
もしくは、青春だと思えばどんな出来事でも、青春になるのかもしれない。
青春とはなにか。
そんなシンプルで分かりやすく、解りそうで判らない問いの答えが少しだけ見えたような気がした。
明日はもっと楽しい日になるよね。と妄想のハムスターに話しかけ、目を閉じた。
もちろん、へけっ。なんて言ってはくれなかった。
それから少し経って、疲れがたまっていたのか、すぐに深い眠りにつくことができた。
こうして『
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