透明


おれが寝ている間に

お前は

おれに

薬を飲ませた

それは身体が透明になる薬だった

おれは起きて

その話しを聞かされ

その時、既に透明だった

怒っていいのか喜ぶべきなのか

その判断に迷った

とても変な顔をしていたと思う

鏡で確認することは出来やしないが

お前ははしゃいでいた

そして数分後にはテレビドラマを観て涙を流していた

おれは

怒るタイミングを逃してしまった

少し考えてから

やっぱりお前の行動には否があると

何故、一言おれに相談しなかったのかと

お前の肩に手を置こうとした

すり抜けた

お前はげらげら笑っている

番組はいつの間にかダウンタウンのバラエティーへと変わっていた


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る