りんごあめ


あのころの

ぼくには

それは

おおきすぎた

おまつりの

りんごあめ

たべると

くちのまわりが

べとべとになって

ふいて

ふいたても

べとべとになって

たべるまえとちがって

いつも

いやなきもちになって

かえった

………

あの

たべかけのりんごあめは

いったいどうなったのだろう?

おとうさんが

たべたのだろうか?



いま

ぼくは

あれからずっと

ときがながれて

ひさしぶりに

おまつりにやってきた

なんだか

へんなきぶんだった

すべてが

ちいさくみえた

いま

ぼくは

くちのまわりをよごさずに

てをべたつかせずに

りんごあめをたべるほうほうをしっている

けれど

もうりんごあめをたべたいというきもちが

きえてしまったよ


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