天国
天国は
誰もが
笑顔で
いられる
春が
永遠に
繰り返される場所
わたしは
早くも
飽き飽きしていた
うんざりだ
あの日
そう
生命が絶たれた日
(こんな場所へ行けたらいいなあ………)
と
なんとなく思っていた場所が
ここに
あるのに
天国って
こんなに退屈な場所だったのか
はあ
毎日、何をして過ごせば良いのか
まるでわからなかった
毎日?
毎日って言ったか? いま
ぼおっと
川向こうの
お花畑を眺めていた
小さい妖精が
きゃっきゃっとふざけていた
溜息をついた
さっきついたばかりのような気がした
ここには時計が無い
朝も
昼も
夜も
無い
ずっとこのままだ
ずっとこのお花畑が永遠に続くのだ
眠くもならない
死にたい
死んでいるんだっけ?
これが死んでいるという状態なんだっけ?
その時だった
お花畑の向こうから
銃声が鳴り響いた
わたしがここへ来て初めてのことだった
妖精は姿を消した
わたしは音のする方へ笑顔で駆け出した
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