第6話「あんたは母親か」

カップ麺を半分近くまで食べたところで彼の目が据わっていることに気付いた。え、またなんか怒ってる?


「……まさか、飯それだけ?」


「うん、そーだけど……」


彼の目がくわっ!と見開いた。思わずびくついた。


「麺だけじゃねぇか!野菜もちゃんと食えぇ!!」


そして突如カップ麺を奪い取られた。そして冷蔵庫を勝手に開き「なんじゃこりゃ!?スッカラカンじゃねぇか!!」と喚き散らしている。そりゃ毎日コンビニ飯だからね。調味料すらないよ。


「大事な食料を奪わないでおくれよ」


「……毎日こんなもん食ってるのか?」


「んー、コンビニ飯とかカップ麺とかばっかりだね」


すぱぁん!と、それはそれは華麗なチョップをくらった。痛いじゃんか。


「こんびにめし?もかっぷめん?も知らんが、こんな栄養が偏るもんばっか食ってるっつーのは雰囲気で伝わった」


え、コンビニ飯も知らないなんて人間終わってるよあんた。


「こんな栄養偏るもんばっか食ったら駄目だろ!肉・魚・野菜をバランス良く食えって親に教わらなかったか!」


突然説教しだした。


えー……えー……なんかすっごい面倒なことになってない?


「そもそも、起きる時間も問題ありまくりだろうが!早寝早起きが基本だ!忘れんな!」


なんか、世のお母さん的な発言炸裂してんですけど。


「しょうがねぇ、今作ってやるからちょっと待ってろ!」


ばびゅーん!と光の速さで屋敷から出ていった彼をぽかんと見つめる。


カップ麺奪われたし。まだお腹満たされてないし。

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