短編黒ファンタジー
犬單于 𐰃𐱃 𐰖𐰉𐰍𐰆
第1話 引き取り施設
ある日、小ざっぱりとした若夫婦と小ざっぱりとした子供が、小汚い小犬を連れて施設を訪れた。小汚い小犬は、係員に手綱を引かれて施設の奥へと連れていかれた。
別の係員は小ざっぱりとした親子に声を掛けた。
「手続きがございますので、こちらで暫くお待ちください」
小ざっぱりとした親子たちは、小奇麗な応接室に案内された。
小ざっぱりとした子供は何の屈託もなく喋り始めた。
「こんどは猫飼いたいな」
小ざっぱりとした母親は言った。
「そうね、もう犬は飽きたわね」
続けて小ざっぱりとした父親は言った。
「そうだね、やはり猫の方が可愛いよね」
他愛のない会話をしているうちに親子三人は、うとうとと眠り始めた。そして二度と目覚めることは無かった。
何故ならば、ここは無責任な飼い主を引き取る施設だったのである。
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