この学園で王になる

ラーメンラーメン

第0話 私立帝国学園

私立帝国学園


この高校の偏差値は80を越える。毎年多くの生徒が有力な大学へと進学していく。


この高校には、通常在るべき制度が存在していない。それは、生徒会。つまり、生徒会長や副会長といった役職は存在しない。



その代わり、他の学園にはない制度がある。



『王制』



これがその制度の名前だ。

内容は名前の通り、この学園には王がいる。

王と一般的な生徒会長の違いは、権力の大小である。



王の特権、それはたったひとつ。しかし、その一つがとてつもなく大きい。



『王はこの学園の生徒、教師に対して、いかなる命令もすることができ、その命令は拒否される事はない。』



もちろん、法律には縛られるが、それであっても大きな特権だ。そのため、多くの者がそれを目指し、3年間を過ごす。




王になる方法は、一般的な生徒会長と変わらない、投票で決まる。一番徳のある者、慕われる者に多く票が集まる。それだけだ。しかし、それがとてつもなく難しい。



この学園に集まるものは、プライドが高く、王を目指しているものがほとんどだ。その中で慕われる者など、全校約500人の内、一握りしかいない。




2018年 4月7日



「ついに…ついに来たんだ。この学園に」



校門の前に立つ、一人の男。180を越えるであろう長身に、漆黒の髪。制服を着ているので、この学園の生徒のようだ。



「俺は、この学園で王になる!」


その男は、そう宣言するのだった。

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