赤い果実、熟す果実

カゲトモ

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 リビングのテーブルについていたのは、俺とリンとミケ、それから幸樹と雪彦だ。

「あ、ちょっと、もうこんな時間よ。あんたたち時間は大丈夫なの?」

 そうミケに言われて時計を見ると午前三時を指していた。うーん通りで眠いわけだ。

「ふぁぁ」

 遅い時間だって分かるとなんでかそれだけであくびが出てしまう。

「最近は徹夜も出来なくなったわねぇ」

「え、本当? それでもミケはスナックのオーナーなの?」

 俺も同意していたと言うのに、リンはすかさず突っ込んでくる。俺らもう三十路だぞ?

「リンとは違うのよ。あんたはなんで夜の仕事をしているって言うのにそんなに肌が綺麗なのよっなんかずるいわっ!」

「あたしの身体には大金が注ぎ込まれているのよ? それにオーナーのあたしが綺麗じゃなくちゃ、他のキャストの子に迷惑が掛かるもん」

 見上げたオーナー魂か、それともエステへ通う大義名分なのか。キャバクラとホストクラブのオーナーは大変だ。

「女の梓だって羨むくらいの肌のコンディションだもん。あぁ~高くて行けないだろうけど、あたしもリンのエステに行きたい」

「紹介だけはしてあげるけどねぇ?」

 紅一点の梓が帰った飲み会は男五人のはずなのに半分くらいが女子トークだ。まぁそれは慣れているから別にいいし、正直俺もエステ行きたいし・・・だって少しでも綺麗なバーテンからお酒飲みたくない?

「本当の女じゃないからこそ女性以上の努力はしなきゃね、あたしたちみたいなのは」

「そうねぇ」

「まだまだ努力して綺麗にならなくちゃね」

「ね」

 うんうん、と頷きながらグラスを傾ける二人。見た目こそ違うけれど、良く似た二人だからこそ共感するところが多いのかもしれない。

「それに好きな子の為にも綺麗にいなくちゃいけないしねっ」

「ぶっ!」

 さっきまで綺麗な友情があったはずなのに、リンの顔と来たら完全におちょくっている顔に変わっていた。

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