第2章 聖地アースガルズからの刺客!
第1話 プロローグ (1)
「あっ、ああん。あああん。あん、あっ、あぁ~ん。いい、いいわよ~。あなた~」
……ん? あれ? どこからともなく聞こえてくる女性の甘い蜜のような吐息……。そして淡い嬌声を漏らす官能的な声がね……。一体何処から聞こえてくるのだろう?
と思うと。こちら側にいる者達もみな発情期の雄だからね。ついついと興味があると言うか? こんなにも女王蜂や女王蟻のような、異性を虜にし、発情……。その上、働き蜂や蟻のように奴隷として扱える程の女性フェロモンを撒き散らしながら嬌声を漏らすことの出来る女性の容姿を確認したいから……。と、思い。辺りを確認していると。
『……ん? あれ?』と、思わず声が漏れてしまったよ。ある者を目にしたから。
だってさ、ベッドで白いシーツに身を包み寝ている少年が目に入って来てね。まあ、こちら側にいる者達の目に入るだけならいいのだが。少年の口から何かしら、声にならないような声──。そう、悪夢にでも魘されたようなこんな声を口から。
「うううっ、ううう……。うん。うぅ~ん。ハァ~。ハァ~」
と、夢見が悪いのだろうか? かなり魘されているような声が漏れてくる。傍から見ているこちらも、『君大丈夫か?』と、声をかけてやりたくなるくらいなのだよ。
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