第137話何かしら付いてきました? (68)

 と、いう事でね、飛んだ話しを血だらけの砦迄戻すけれど。取り敢えずはね、町では俺に色々な出来事が起きたんだよ。だからね、本当にうちのカミさんには迷惑を掛けてしまったと。此でもさ、一応は俺なりに反省はしているんだけどさぁ。まあ、皆から見れば、そんな風には、見えないかも知れない。

 でもね、本当に言い訳になるかも知れないが。俺だけが悪い訳でもないんだよ。特にさ、俺の目の前にいる、町の爺さん達の中には。俺をカミさんに……それもあっさりと売った。裏切り者もいるからね。


 まあ、良いよ、怒りはしない。俺も大人気ないから……それにうちのカミさんに、その爺さん──店と女達は、全部没収されたみたいだし。俺とお蝶との縁も作ってくれたから。まあ、良しとするよ。


 でもさ、この爺さん……というか、先程の町の町長だけど。うちのカミさんに脅されて、あっさりと俺が二階にいる事をばらしたんだよ。それもさ、町長自身が、俺に店で遊んでいけと誘った癖に……


 だから、言い訳になるかも知れないけれど。それってさ、絶対に可笑しいよね?


 町長が『女遊びをしたらどうか?』と、誘ってきたと、うちのカミさんに申したら、絶対にこの爺さん、体を『バラバラ』引き裂かれて、二度と転生出来ないようにされてしまうと思うよ。でもね、俺は優しいから、フレイヤには黙っていてやったんだ。よい子だからね。


 でもさ、なに食わぬ顔して、砦まで俺達に付いてきた──それもさ、付いてきた理由は、何故だか解るかい? 自分達が転生して若返りがしたいが為に、俺達に同行したみたい。

 まあ、ガキの俺には、良くは解らないけれど。うちのカミさんと何かしら取り引きをしたみたいなんだ。それをうちのカミさんから、俺は聞いて──本当に大人って奴はと、本気で思ってしまったんだよ。



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