第133話 何かしら付いてきました? (65)

「……ん? あああ……それはフレイヤ、ただ一人だよ……」

 まあ、家の主人は首無しお蝶の件で『ウルウル』とはしていますが、ちゃんと自分の気持ちを述べてくれましたよ。"わらわ" の事を一番愛しているとね。(キャ、"わらわ" は嬉しい~♪)

 と、いう、事ですから、少しずつは "わらわ" の機嫌の方も回復──だから又うちの主人に「ふむ、そうですか……ではあなた、又尋ねますね?」と、声をかけましたよ。『ルンルン』と、いった感じでね。すると主人は「うん、いいよ……」と、返事をくれました……でもね、相変わらず首無しお蝶の件で、『ウジウジ』と、いじけているのですよ。

『もぉうぉ~本当に頭にくるというか、ムカつくというか……』ですね。『あああ……』こんな様子の主人を見てると、一番愛していると述べられても嬉しくはないし…… "わらわ" の気が変わりそう……


 でもまあ、取り敢えずは、反省をしているようですから、主人に問い掛けを続けますね。

「では、今度は──あなたの、愛する妻は誰ですか?」

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