第92話 何かしら付いてきました? (24)
「魔王さまぁ~?」
「……ん? なぁ~に?」
「あの~、私を買い取ってくれませんかぁ~?」
いきなりさ、お蝶さん、俺に甘えながら尋ねてきた──彼女自身を買い取ってくれと?
「えっ? どういう事?」
俺は直ぐにそう答えたんだよ。だって買い取ってくれと呼ばれても意味が解らないから?
「あれ、魔王様は知らないの? このような春を売る店の女達は、みな店に売られてきた者達ばかりなのよ」
俺彼女からこんな感じで簡単に説明を聞き、思わず次の台詞に困ってしまう。
だからこんな感じで「えっ、あああ、そ、そうなんだ」と、少しどもりながら言葉を返したよ。
だってどう述べて良いかも解らないし、俺の判断では何ともいえないから……。
「ん? 私じゃ、嫌かな、魔王さま? ……私尽くすタイプの女だから、一生掛けて魔王さまのお世話をしてあげるよ」
明るくお蝶さん述べてくれるんだけど。俺にはカミさんいるし、女性の件となると、フレイヤは鬼婆のように嫉妬して怒るから、彼女にも迷惑掛けそうだしね。
だからこんな感じで、取り敢えずは断りを入れようと思うよ。
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