第91話 何かしら付いてきました? (23)

「ちょ、ちょっと、待ってください姫様。先程と話しが違いますよ。自分達を怒らないし、罰しないとも申してくれたではないですか」

「はぁ、それは話しの内容次第です。貴方達みたいに破廉恥な輩は……殺傷処分です! 解りましたか──!」

 とにかく家臣の一名が弁解をしてきたのですが、"わらわ" はこやつらを一切許す気はありません、いくらわらわの配慮が足りなかったとしてもですよ。


 とにかく聞かれた、若しくは見られたかも知れないと思う?


 と、何度も申しますが収まりがつきません。だから『ブツブツ』と独り言を述べ始めました。

 こやつらが苦しまないように、一撃で仕留めるつもりですよ。


「で、でも、姫様──我々家臣一同は姫様が良い君主だと思って、遠い日本から姫様を慕って、この異世界までついてきたのですよ。だから家臣一同にお慈悲をください……私達もこんな容姿なりましたけど、やはり遠いい異国の地にきて時間が経過すると、日本が恋しくなりホームシックになって寂しくなります……それに家族が持ちたいと我儘わがままは申しませんから。せめてこんな町に来た時には、せめて我ら家臣のストレス解消の為と、今後の作戦をスムーズに行う為に遊ぶ事をお許しください……」


 まあ、こんな感じで "わらわ" に家臣が進言をしてきたのですが。


 う~ん、確かに……。家臣の述べる事を一理はあると思いました。

 実際この世界に勝手に彼らを連れてきたのは、"わらわ" 達夫婦なのですから。


「……う~ん、仕方がない解りました……。では、この町にある春を売る店を我が軍が今から全部接収して回ります──もしも、仮に気に入った娘が居て、向こうが結婚しても良いと述べたら、妻にする事も許可しましょう!」


 "わらわ" はこんな感じで、家臣達の熱意に折れて、寛大な処置を取りました。


「「「おおおおおおおおおおおおおおおおっ! 女王様万歳ー! 万歳ー!」」」


「「「女王様に付いてきて良かった──!」」」


「「「おおおおおおおおおおおおおおおおっ! そうだ! そうだ!」」」


「「「姫様万歳ー!」」」


「「「フレイヤさまお慕いしています──」」」


「「「魔族万歳ー! 女王様万歳ー!」」」


「「「女神フレイヤ様──一生付いていきます──!」」」


 とにかく "わらわ" の家臣への寛大な処理が功を奏して、周りから "わらわ" を慕っていると、歓喜の声が高らかにあがりました。


 もうこうなると、慌てなくても、次の作戦でもある、盗賊まがいの傭兵達の討伐はいとも簡単に終りそうですね。


 と、いう事ですから "わらわ" は、家臣達に少しゆるりとした時間をやる事に決めました。


「では、皆行きますよ──この町にある春を売る店を我が、軍が全部接収して回ります──いざ出発──!」


「「「はい! 姫様──!」」」


 まあ、こんな感じで、仕方がない家臣男達を引き連れて──"わらわ"はまた町の巡回へと回りました。



 ◇◇◇◇◇

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