第79話 何かしら付いてきました? (11)

 そうなんだよね、実は死んだ人達を生き返らせるといった作業を行っていないから。俺はうちのカミさんを呼び止めたんだよ。


 したらね、カミさんも「あっ、ああああああっ! 忘れていました!」と、述べながら慌ててこちらに向かってきたよ。


 それも笑って誤魔化しながら。


 俺はね、そんな、お茶目な所もあるうちのカミさんを見てさ、本当に可愛いと思ったよ。


 まあ、直ぐに切れて女王様モードに入る悪い癖もあるんだけど。でもさ、それはあくまでも他人に対してであって、俺に対しては本当に最初の "あれ" だけだったよ、"あれ"だけ……。その後からは、こんな感じで夫婦喧嘩をしながらだけど。如何にも姉さん女房といった感じで、細かい事まで気を使ってくれながら、良く俺に尽くしてくれると思うよ。


 だからまあ、取り敢えずは、良かったいうか、まあ、カミさん優しいから、幸せなぁ? と、俺は思う……。


 あああ、そうそう、死んだ人達を生き返らせるとか、先程 俺達夫婦が述べていたけれど。

 あれはね、完全に人を人として蘇らせる事はいくら神様でも無理らしい。でもね、骨のオジサン達と一緒でね、精霊としてならいけるみたいだよ。


 だからね、今迄きた町や村でも、死んだ人達を生き返らせてきたんだよ。まあ、人とは違う種族にはなるから。家族や恋人、友人等とは寿命が変わるのだけれども。取り敢えずは生き返るから、皆喜ぶし、俺自身も罪悪感が小さく済むのが助かるよ。

 それにさ、生き返っても、皆さんが骨のオジサン達の容姿を見ててもさ、化け物モンスターじゃない? と、思うだろうけど。あれは俺がね、まだ召喚の仕方と要領が解らないから。ついついと自分の脳の中でスケルトンをイメージしたから、あんな容姿になった訳で本当に悪いと思うよ。


 それにさ、精霊として蘇った人達だけど。普通に人と変わらない様に生活も出来るし、知能もあるみたいでね、前世の記憶もあるらしい。だから夫婦や恋人がいる人などは、普通に仲良くしてれば子供も出来るとうちのカミさんが述べてたから。

「うそぉ、おおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」

 と、大変に大きな声を出してビックリしてしまったよ。

「いいえ、本当です。それにあなた大きな声を出さないでください、うるさいですから……」

 うちのカミさん、両手で耳を抑えながら説明をしてくれた。


 ……でもさ、俺がビックリするのは仕方がないと、皆さんもは思わないかい?


 だってあんな容姿だけど、骨のオジサン達も結婚する事が可能で、子供もちゃんと作れるらしい、それに俺は、ついついとオジサン達と述べているけど。実はね、容姿があんな感じだから解らないだけで、実は年齢の方も十代後半か二十代前半らしいよ。


 もうね、それを聞いた途端に俺は、バスの中での夫婦の仲良くは、「これからは、バスでの夫婦の仲良くはもうしないし! 禁止だから! 解った、フレイヤ?」と、述べたもんね。

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