第76話 何かしら付いてきました? (8)
「取り敢えず、
「「「はい、フレイヤさま──‼」」」
「「「おおおおおおっ! 女王様──‼」」」
「「「私達は女神さまの為なら命でも捨てる覚悟です──‼」」」
う~ん、まあ、何かしら良く解らないけれど。
だからさ、『俺は何事?』と思って辺りを見渡したんだよ。するとさ、町のオジサン達も俺に合わせるように、怯えながらだけど。辺りにいる骨のオジサン達を見ているけど。
一名だけね、骨のオジサン達に圧倒される事も無く、カミさんに言葉を返す者がいた。
「えっ、あっ、はい……」
「……もしかして貴方が、この町の最高責任者ですか?」
「はっ、はい、そうですけど?」
『へぇ~』と、俺は思わず声が漏れそうになったけれど。拍子抜けた声を漏らして──この場の緊張した場面を又壊して、
だから取り敢えずは二人の会話を黙って聞いておくね。
「じゃ、率直に申しますね、この町は今日から、我がヴァン神族 魔王直轄領としますね。解りましたか?」
「えっ? では我々は、貴方方に税を納めないと、いけないと言う事ですか?」
「辺り前です、この町は我が主人の領地になるのですから。貴方達には税を納めてもらいます」
こりゃまた理不尽な事を述べ始めたよ。家のカミさんは、実はね、本当にこれは内緒なんだけれども。この残虐な行為は実は初めてではないんだよ。もうね、町や村を五つぐらいは襲って管轄下にしているんだ。
俺と違ってカミさん、美と豊穣の女神フレイヤ様で主神の一人だし……。それにあの容姿だろ。おまけに魔力の方も俺と違って完璧に使用できる訳だから。後で説明を聞いて今迄は皆さん喜んでいるんだよ。
だから骨のオジサン達も、気づけばあんな調子で、主人の俺よりも崇拝をしているもんね。
だからね、尚更、俺が口を挟むと憤怒するんだよ。
あああ、これが姉さん女房の辛いところだと思う。
だって俺は完全に子供扱いだからね。あああ……。
と、まあ、こんな感じの経緯もあったから、もう少し皆で家のカミさんと町のオジサンとのやり取りの様子を見ていようね。
ではでは、又続きを見ようか。
「でもそれだと私達は、元々の領主様と貴方達との二重の税を払わないといけなくなるので。この町で生活が出来なくなります」
まあ、町のオジサン達の申す通りだよ。そんな二重の税を払うぐらいな町を捨てて夜逃げをした方が良いと思うしね。
でもさ、そんな誰でも解るような簡単な事は、
なのに何故?
そんな事を述べたのだろうかと、皆も思うでしょう?
「そんな事は当たり前です、貴方達は元の領主にはもう税を納め無くてもいいです」
「えっ? でもそんな事をすれば、私達は領主さまの怒りを買って、こも町は見せしめに家は焼かれ、女は皆凌辱行為を受けて、人買いに売られてしまいます……」
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