第57話 別の世界に逃避行? (9)

 するとさ、うちのカミさん、『エッヘン!』と、いつた感じの素振りでね。『どうよ、どうよ』と、述べたい感じにも見える。


 だから俺は、尋ねたんだよ。うちのカミさんに、どうせ俺と話しもしたいんだろから。

「奥様、奥様、何で闇精霊なんて、召喚する必要性があるの?」

「ん? あああ、それはですね。あなたぁ~、異世界に行ったらですね。わたくし達の愛の王国を作りましょ~~~ぅ♪」

 と、高らかな声を出してね。音楽に合わせる様に、俺に説明してくれた。とても簡単に、凄く解り易くだよ♪


 特に一番解り易いのは、うちのカミさん。愛と豊穣の女神フレイヤ様だから、やはり愛の巣となる真っ白お城がいるのかな♪


 う~んでもね、俺は、先程も述べたけど。夫婦二人でゆるりと静かに、慎ましく暮らせればそれでいいんだよ。


 だからうちのカミさんに、俺の意見を述べてみた。


「でもね、フレイヤ。わざわざ王国なんて作らなくても、二人で静かに慎ましく暮らせれば、それでいいんじゃないかな?」


「う~ん、確かに、静かに暮らせれば、それに越した事は、ないですけれど……」


 この言葉を終えると、うちのカミさんは、急に顔色が悪くなったよ。だから俺は不安になって尋ねた。


「ん? どういう事をフレイヤ?」


「えっ? いや……。先程あなたに述べた通り……天界からの追ってが……」


 と、答えてくれたのだが。でもね、俺達二人は異世界に移動する訳だから。もう大丈夫だと思うのだと思うのだけど。それでは駄目なのかな?


 俺はそのように自分なりに思うから、またうちのカミさんに尋ねる事にしたんだ。


「でもね、フレイヤ、俺達は、今から異世界に移動するんだよね?」

「えええ、そうですよ、あなた……」

「なら、大丈夫なんじゃない? 天界の奴らも異世界までは、追ってはこないと思うけれど?」


 まあ、普通に考えればこうだよね。この世界の神様だと思うから、異世界迄はこないと思うし。異世界には異世界の神様もいるだろうから、縄張りとか色々あるだろうと思うから。わざわざ追ってはこないと、素人考えでモノ申したのだが。


「うぅん、そんな事はないですよ。わたくしがこうも簡単にゲートを開けるという事は、神なら誰でも簡単にゲートを開いて時空飛んで追いかけてきますよ」


「えぇ、えええっ! そうなの、フレイヤ?」


「はい、そうですよ、貴方……。それにどの世界、異世界合わせても、神はみな共通なのですよ……。それに神々が住む世界自体も、異世界の一つなのですから……」

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