第56話 別の世界に逃避行? (8)

「あのね、フレイヤ?」

「はい、あなた、どんな場所が良いか、決まりましたか?」

「うん、決まったよ」

「そうですか、じゃ、どんな場所がよろしいですか?」


 まあ、こんな感じで、うちのカミさん尋ねてきたから。

「車がブンブンと走っていないような場所が良いかな?」

 と、俺は答えたよ。

「フムフム、分かりました、あなた。では他の異世界へとゲートを開いて移動をしますね」

 うちのカミさんが、そう答えたから。「うん、分かったよ」と、答えてワクワクしながら俺はみていたよ。


 だってさ、空間のゲートを開いて二人でランデブーだよ。まるで新婚旅行みたいじゃないか。

 だから、嬉しさの余り、ドキドキしながら奥様を見てるよ──それにさ、フレイヤと離れていて、置いていかれると嫌だから。うちのカミさんをしっかりと抱かかえ、二つの超が付くほどの、御立派で美しい、たゆんたゆんのオッパイの谷間に顔を埋めて、『パフパフ』しながら待っていたのだけど。


『……ん? あれ?』


 少し時間が経つけど何も起きないね?


 も、もしかして、もしかしたら?


 俺の妻の二つのたゆんたゆんのオッパイに対する、『パフパフ』攻撃がいけなかったのかな?


 だってさ、仕方がないじゃん、イザね、二つの胸の膨らみに──顔を埋めて堪能してしまったら。思わず幼子のように甘えてみたくなったのよ。

 だから、魔法の呪文……と、いうか、神技になるのかな?


 それが止まっちゃった……。カミさんジッと固まっているし……。


 う~ん、どうしよう?


 マジで困ったなぁ……。


「あなた~?」

「ん? なに?」

「あのですね」

「うん、どうしたの?」


 と、まあ、うちのカミさん、又急にだけど。動き始めて、口を開き始めたから、本当に良かったよ。一時はどうなるのだろうかと、思っていたぐらいだからね?


 まあ、本当に良かった、良かった、良かったよ……。


 俺がね、そんな事を考えながら胸を撫で下ろしているとね。うちのカミさんは。

「あなた、異世界へ旅立つ前に、この辺りに漂う、闇の精霊を召喚しましょうか?」

 と、述べてきたんだよ。


 だから俺は、たゆんたゆんに対しての、『パフパフ』と、甘え甘え攻撃を止めてね。うちのカミさんを見上げて──首を傾げながら「闇の精霊?」と、尋ね返したんだ。

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