第11話 前世からの女性? (11)

「なあ? マジで勘弁してくれないかな? 手を離してよ。お姉さん? 俺はこのまま、ここにいたら警察が来てしまうし。下手すると未確認 生物駆除で、自衛隊まで来たらどうするの? それに先程、俺に助けてくれとか、守ってくれとか、言っていたけれど。お姉さんの言ってる意味が俺には全然わからないし、理解できないから、頼むから離してよ?」


 俺はこんな感じで、綺麗なお姉さんは好きですか? に、まとわりつくのをやめて欲しいと嘆願をしたのだよ。


 だってさ、今俺が彼女に告げた通りで、このままこのアーケード街に居たら不味いじゃない?


 警察、機動隊……。


 それこそ自衛隊まできそうな雰囲気だからね。


 う~ん、それと、綺麗なお姉さんは好きですか? だけれど。細くて華奢な身体のわりには、俺の足から身体へと変わった抱きつく行為……。


 彼女の細い華奢腕の筈なのに、俺に抱きつく力は大変に強く痛いぐらいなのだよ。


 だから尚更俺は、綺麗なお姉さんは好きですか? に放してくれと優しくお願いをしているのに。


 俺が先程愚痴を漏らした通りで、全然放してくれないのだよ。


 それにね、彼女?


 傍から見ている皆も知っての通りで、俺が全然わからない言葉ばかりを告げてくる。


 特に……と、言うか?


 俺と最初に遭った時から可笑しい……。


 だって、未成年の俺の事を甘い声色で、『あ・な・た~』と、呼んでみたり、『夫、主人』って、呼び方自体も可笑しいと思うわない?


 それこそ、お姉さんは好きですか?は気がふれているのかな?


 と、俺自身が傍から見て思うぐらい?


 だってさ、今も俺が告げたけれど。自分自身未だ未成年で十八歳だから……。


 まあ、結婚は出来ない事はないけれど。


 俺自身は未だ結婚などしてはいない……。


 それに未だ結婚などはする気もないのだよ。


 だって女遊びも未だしたい年頃だから、俺は女性一人に、もうこの歳で縛られ落着きたくはないのだよ。


 でッ、話しは少し変わるけれど?


 綺麗なお姉さんは好きですか? は、どう見ても? 俺とは歳がかなり離れているように見えるのだけれど、年上の女性のわりには、容姿としては俺自身の好みと言えば好み……。


 と、言うか? 綺麗なお姉さんは好きですか? の年齢がかなり年上だとしても。


 こんなにも神々しくて美しい女性は、二度と手に入らないと言うか?


 この世には多分、居ないと思うし、俺自身も初めて見るよ、こんなにも美しい淑女の女性は……。


 それこそ? 絵画や彫刻として国立美術館でも飾っていたらどう?


 と、言ったレベルの女性だよ。綺麗なお姉さんは好きですか? の容姿は、俺が呼ぶ通りの……。


 ッて、当たり前なのかも知れない?


 だって彼女は、この世界の住人ではないとは思う?


 彼女の容姿は?


 彼女自身の小さな御顔には、不釣り合いくらい大きくて可愛い笹耳があるからね。


 多分、人では無くて、女神か天使か妖精種の女性だと、俺は思う?


 それと、俺をこんな容姿に出来るぐらいの女性だからね、女神様なのかな?


 でッ、この神々しくて美しい淑女……。


 と、いうよりも、完全な大人の女性だから、綺麗なお姉さんは好きですか? は。


 だから妖艶な女性と言った方がいいかも知れないね?


 と、言う事だから彼女は、もしかして美の女神アフロディーテ様かな?


 う~ん、でも?


 女神アフロディーテ様って金髪碧眼じゃなかったけ?


 俺に抱きついている女神様は、漆黒の黒髪で、紅玉の瞳……。


 女魔王様と言った容姿だね?


 でも邪悪な意思は感じられないような気がする……。


 と、言うか! この女性からは邪気が感じるよね!


 先程から綺麗なお姉さんは好きですか? が、放つ甘い香気で、男達……。


 だけではないか!


 女性達もバタバタと泡を口から吐いて──痙攣しながら死んでいるよね……。


 う~ん、でも、まあ、そちらの方の話しは少し置いていて……。


 まあ、この手の御伽話やマンガ、アニメにライトノベルのファンタジー物などに良く出てくる、この手合いのテンプレ話しには、必ずといって良いほど、がセットとして付属している事が多いからね。


 俺には女神アフロディーテ様が現れてこの事態の事を説明してくれるのかな? と、思わず腕を組み考えてしまった。


 う~ん、でも、女神アフロディーテ様かも知れない彼女は、俺の先程の願い……。


 手を離してくれと告げた言葉に反発──不満を漏らしてきた。


 まあ、相変わらず女神様かも知れない彼女の顔はクシャクシャで、涙と鼻水と流しているけれど。


「いや、いや、絶対にいや~! やっとあなたを見つけたのに……。絶対にいや! 死んでも離しません! それに先程も述べた通り、わたくしも、もう嫌なのですよ。今置かれている現状が……。もうあなたを裏切りたくはないの……。今度はちゃんと妻として尽くしたいの、本当だから信じてあなた……。だからわたくしを助けてください、あなた、生涯寄り添いますから……」

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