蝉時雨とローファー
ゆきみずだいふく
序章
耳をつんざくような蝉の鳴き声で目が覚めた。
丁度近くに樹木があるからだろう。庭に植えてみるんじゃなかった。
もぞもぞと布団から這い出て、今までの眠気を飛ばすように窓を開けた。
さっと開ける視界。ほんのりと蒼く色付いている空と入道雲。
私は、この瞬間が一番好きだ。
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