クリスタルな殺意

村岡真介

プロローグ

 君は地面を蹴りポーンと空中へ飛翔する。十メートルほど上に上がると、それから斜めに滑っていく。そう、かつて君を虜にしたパラグライダーをやっているかのように。


 空中でさらに空気を蹴り、ポーン、ポーンと飛んでいく。


 重力のない世界。俺も負けじと地面を蹴る。


 ポーン、ポーン


 安堵と充足の場所。ここにたどり着くまでに、いろんな事があったんだ。


 ポーン、ポーン……


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