第40.5話 博士と助手と◯◯◯その3


どうも、アフリカオオコノハズクの博士と、助手のワシミミズクです。我々は図書館に帰って来たのです。そこからは本を読んだり、来客の相手をしたり、料理に挑戦して失敗したり…最後のはいらなかったですね




そして──




「博士、助手、いるかしら?」


また来客なのです。今回は…


「トキ三人ですか。何かありましたか?」


「この子が何のフレンズか知りたくてね」


トキの後ろから出てきたのは、全身が黒いトリのフレンズ。少し気まずそうな顔をしているのです



…ん?こいつは…



「博士、もしかしたら訳ありなのです」ヒソヒソ

「そのようですね、助手。なぜその様なことになっているのかは知りませんが、情報が聞けるチャンスなのです」ヒソヒソ


あちらもアイコンタクトを送っているのです。仕方ない、貸しにしておいてやるのです


「博士?どうしたの?」


「そいつは “ハシブトガラス” のフレンズなのです。特徴がそっくりなのです」


「見ただけで分かるの?」


「当然です。我々は賢いので」


向こうもホッとしているようなのです


「ハシブトガラス…それが私なのですね」


「良かったわね、直ぐに分かって。それで、これからどうするの?」


「少しこの方達とお話をしていきます。縄張りも見つけなければ行けませんので」


「大丈夫?心配なら縄張りに帰るまで一緒にいるけど」


「ご心配なく。ここまでありがとうございました」


それを聞き、トキ三人はカフェへ戻っていきました。さて、本番はここからですね



*



「で、なぜ嘘をついてここまで来たのですか?」

「コウ、という奴と関係があるのですか?」


「それは…」


どうやら図星のようですね。こいつがどこまで知っているのか教えてもらわなければいけません。この島の長なので



「ハシブトガラスよ、話してもよいぞ」



「「っ──!?」」



なっなんですかこいつは…!?黒い影を纏っている…!?それに、いつの間に現れたのですか!?


「γατδξ様!お体は大丈夫なのですか!?」


「そこらのセルリアンには負けん。まだ本調子ではないがな」


ハシブトガラスと知り合い…フレンズなのでしょうか?なかなか不気味ですが…正体を隠している…?


いや、隠しているというより…


「それよりも、彼は一緒ではないのか?」


「それが…」


ハシブトガラスが来た理由を話しています。なるほど、監視をしていたのですが、失敗してここに来たと。コウという男、切れ者なのか天然なのか分かりませんね


「監視についてはもうよい。彼は特に危険という訳でもない事は分かった。ありがとう、ご苦労だった」


「勿体なきお言葉…。あと、これを…」


何かいい匂いのするものを取り出しましたね。本で見たことあるようなものを、その影は手に取って食べましたね



…今食べましたか!?



「待つのです!それは何なのですか!?」


「これはクッキーといってだな…サクサク。オヤツには丁度いいものでな…モグモグ」


「食べるか話すかどっちかにするのです!ハシブトガラス!それはどこで手に入れたのですか!?」


「カフェで彼が作りました。アルパカ様にレシピを教えていましたよ」


つまり今後カフェで食べられるということなのですね!?グッジョブなのですよコウ!


いや違うのです!聞くことはこれじゃないのです!



「あっ!ずるいです!私にも下さい!」



「「っ──!?」」


今度は白い影!?何なのですかさっきから!


一緒に来たのは…キタキツネとギンギツネ?ここまで来るのは珍しいですね


「Ωιηλサマ、さっきどん兵衛食べたじゃないですか…」


「意外と食いしん坊なんだね」


「デザートは別腹ですよギンギツネ、キタキツネ。覚えておくといいですよ」


どん兵衛まだ残ってたのですか!?我々にも寄越すのです!ふっくらを食べたいのです!


いやだからそうではないのです!


「お前達!今こいつらを何と呼びましたか!?」


「えっ?Ωιηλサマって呼んだわよ?」

「…γατδξ様と、お呼びしましたが?」


「だから、それはなんだと…!」


「…待つのです、助手」


「…博士?」


何か引っ掛かります…。二人の様子を見るにふざけている訳ではない。そうなると…


「ハシブトガラス、そっちの奴はどう見えますか?」


「…白い影を纏っています」


「ギンギツネ、キタキツネ。こっちはどうですか?」


「黒い影を纏っているわね」

「ボクもそう見えるよ」


相方ではない方は我々と見え方は同じ…と


「三人とも、お互いに名前は聞き取れましたか?」


「はい」

「ええ」

「ううん…」


「キタキツネ、お前は違うのですか?」


「ボクには見えてないし、名前も分からないよ。でも、どこか懐かしくて、優しい感じがする。だから怖くないよ」


見えていなくても動揺はしていない…こうなっている理由を知っているようですね。ハシブトガラスとギンギツネには片方はきちんと見えていて、我々は不可能…何が条件なのでしょうか?



…見えない、聞こえないではないとしたら?



「ではγατδξさん、私はあの人の所に行きますが…何処に行ったか分かりますか?」


「…すまない」


「…とりあえず、探してみますね」


白が何処かへ行きましたね。しらみ潰し…といったところでしょうか


「さて、島の長、ハシブトガラス、Ωιηλの従者よ。今起こっていること、コウ、という男について話そう」


黒が語り始めます


まさか、こんなことが起きているとは、想像もしていなかったのです










────────────────────




ふむ…砂漠に来てみたが…流石に夜の砂漠、地上にはいないか。確か地下に迷宮と管理室があったか。ここから行けるようだな


しかしあやつらと来たら、やれ戦うな、やれ面倒を起こすなと…。強者との邂逅だぞ?少しくらい勝負をしてもよいではないか。それに直接手合わせをせんと分かることも分からんだろうに


…大丈夫。少しだけ。少しだけだ



しかし素直に勝負を受けるとは考えづらい



となると…引っ張り出すとしよう。どれ…






━━━━━━━━━━━ゾワッ






少し殺気を出してみたが、これで釣れるか様子見をするか




「…」ザッザッザッ




…お?どうやら気づいたみたいだな。出てくるまでの時間も中々速い。感心感心



さて…お手並み拝見といこうかのう?

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