真の章

第41話 【神】

「お前は面白い奴だから、猶予をやろうじゃないか」


 神はニヤリと笑った。


「猶予?」

「僕のとある手伝いをしてくれないか?」


 俺は首を傾げる。一体、コイツは何をしようとしているのだろうか?


「素直に手伝ってくれるのであれば、その命、助けよう」


 率直に首を縦に振るか横に振るか、迷う。

 命はまぁ、確かに惜しいが、それよりも……


「その手伝いとは面白いものか?」


 俺はまず、自分が楽しめるかということが重要だった。

 神はケラケラと笑う。


「やっぱりお前はお前だなぁ。あぁ、もちろん面白いことだとも」

「では、手伝おう」

「契約成立だな。早速、向かおうとしようか」



 俺と神は暁光の迫る中、宵闇へと消えていった。

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