ヒーローショー、雨天決行
詩一
第1話 雷雨
人生最悪の日と言うのは生きている内に何度もあるが、今日ほど文字通りの日は金輪際ないだろう。
――バリリ、バリ、シャー。
紙を裂く音。
身を裂くような音。
自傷行為。
にも近い様な行為。
あるいはそれ以上か。
暗闇の中、窓から時折走る稲光だけが部屋を断続的に明るくしていた。
外は雨。土砂降りだ。
俺は破り散らかした紙屑をビニール袋に詰め込み、上下寝巻のままで外に出た。
雲が暗闇を連れてきたような夜に外に出たがる人はいない。だから周囲を気にする必要もなかった。
明日はまだ燃えるゴミの日ではないが、どうか許してほしい。
とにもかくにもこの紙屑をこの部屋から出しておかなければいけなかった。
そうしなければ、殺されてしまいそうだった。
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