第2話

 よくあさ。テレビで言われていたような被害はうけず、隕石事件は終わった。被害といえば、ツイッターに一時アクセス出来なかったことくらいだろう。いろんな人がつぶやいたせいなんだろう。僕はいつもどおり。いままでどおり学校にいく。しかし、いつもと違うことがあった。


「おまえ……」


 僕の席にものすごい美少女が座っている。お前、誰だよ。最初はそう聞こうとした。でも僕は口を閉じる。聞かなくても正体が分かった。わかってしまったのだ。


「いちごちゃん」


「え!?君、いちごのこと知ってるの??うれしいなー。もちろん私のことフォローしてくれてるよね!」


 彼女はそう言ってピースときらっきらな笑顔をこっちに向けてくる。そのかわいさにクラスもなんだかざわついている。こんな美少女がいればふつうならクラスのみんなみたいに浮き足だつのだろうけど、僕の心中はおだやかではない。


 いちごちゃん。僕のツイッターアカウントの一つ。いわゆるネカまアカウントのプロフィールだ。まるでお前ネットでこんな恥ずかしいことやってんだぞ、おらぁぁと言われているような気分だ。


 クラスのみんなに僕がネカマしてツイッターでキャハ♡とかしてるのをばらされたら困る!


 わざわざ僕の席に座っているということは向こうは当然僕の正体について知っているはず。はやいとこ彼女に口止め(土下座)しないと!


 僕は彼女の手をひっぱって教室の外に連れ出した。クラスの連中がヒューヒューとか言っているが、そんなことを恥ずかしがっている暇はない。割とまじで。

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