3月3日・特別SS・ひな祭り(時系列200話付近)

「ねぇ~生徒達に、ひな祭りを経験させてあげたいんだけど、どうかな?」


「え?ひな祭り?」


「桃の節句って痛い頬をひねるな、お初」


「今、馬鹿にしたでしょ? 知ってるわよ、ひな祭り、人型の依り代に邪気を込めて川に流す儀式的な」


「あ~そっか、大名でも、ひな祭りが定着するのって江戸時代か?」


「?」


「豪華絢爛のひな人形を飾って祝うんだよ。 しかし、邪気を込めて流す儀、これは平成だと廃れちゃうけど、大切な儀式だなぁ~続けなければ」


「ねぇ~真琴様、自身が式神使いの陰陽師って忘れてない?たまに人型の紙に息吹きかけて飛ばしてるでしょ?」


「あ?見てた?監視カメラってか邪気を感じる為に城内に飛ばしてる。 あ~そっか、あのよりしろに邪気を込めて流せば・・・・・・」


「しかも大納言陰陽師がすれば噂はすぐに広がるわよ」


「流石、お初、するどい。 よし、それとセットで豪華な人形を飾ってお祝いの祭りをするか。 狩野永徳か御用商人の伝手を使えば人形も急ごしらえだけど揃うかな」


「はいはい、京都に帰った今井宗久に手紙を早馬で出しますわね。 どの様なのがよろしいのか書いて下さい。 私がまとめ書きして発注しますから」




七段飾りのおひな様を説明すると、お初はそれをうちの御用商人に送った。




・・・・・・はっ!?




届いた人間実寸大のお内裏様とお雛様?三人官女?




超が付くほど巨大な七段飾りが届いてしまった。




「うっ、なんか違うが、ここまででかいならせっかくだし城下で盛大な祭りにしよう。 邪気込め人型の依り代は男女関係なく配って、みんなで邪気を込めて霞ヶ浦に流そう。 邪気退散の術は俺が唱えるよ」


「良いお祭りになりますわね」




この平成にはない祭りがこの時間線では、世界貴重文化遺産として認定される祭りになることは俺は知るはずもなかった。


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