第943話 地下への興味

「なぁ、常陸、この下はどうなっているのだ?」


と、唐突に言い出す織田信長、俺は次の出港の準備の最終確認に忙しいのに。


「ん~と、地上の下って事ですか?」


「うむ、そうだ、前回オーストラリアに来て常陸を待っている間、アボリジニにオパールの採掘と住居を兼ねた地下を見せて貰ったが、それより奥深くを掘ったらどうなる?」


「って、ここだと石炭掘りしているからオパールより深くまでは入れますけど」


「あぁ、それも見させて貰った。地上から大きな穴を深く大きく広げていた」


「あ~常磐炭鉱みたいに坑道を掘り進めるわけじゃなくて露天掘りだったかぁ~土地広いし、真っ直ぐ掘れば出てくるからなぁ・・・・・・ん~と、地下は奥深くまで掘ると地熱で熱くて熱くて蒸し風呂状態なんですよ。確か、俺の時代でも機械の限界で50キロメートルとかくらいまでしか掘れなかったはず、うろ覚えですがね」


記憶が曖昧だが、ソ連だかロシアが実験していたはず。


「なぜに熱いのだ?」


「火山の噴火を見たことがありますか?」


「ハワイで見たぞ、山から流れ出る真っ赤なドロドロした物が海に流れ出ていたな」


「あれが地下に流れているんですよ。あれが詰まっていると考えて貰ったほうが良いかと」


「その上に大陸があるのか?」


「そうですね、溶岩に大きく蓋をしていて、それが吹きこぼれるのが火山みたいなって、電子辞書で調べて下さいよ。今、忙しいんですから」


「ん?常陸、自分の開いていないだろ?なにやら寿命らしいぞ、儂のも佳代のも動かなくなった」


ん?確かに見ていない。

開いてみると、完全に無反応だった。

佳代ちゃんが壊れたというのだから根本的になにかが寿命だったのだろう。

単純に電池あたりかな?

聞いて見るとやはり電池が限界らしく、安全装置が働いたそうだ。

それを組み込んでいないと爆発発火する危険性があったらしい。


「信長様、地下に潜ろうなどと考えないで下さいよ。蒸し風呂洞窟に入っていると想像すれば良いと思います」


「ん?そうなのか?」


「まぁ、日本に帰ったら阿武隈鍾乳洞とか案内できますけどって、そう言えば、スペインだかメキシコだかにある水晶で出来た洞窟行くの忘れていたんだよなぁ・・・・・・ふしぎ発見でやっていて見たかったんだよなぁ~・・・・・・」


と思い出したことを一人言で言うと織田信長は、


「ん?水晶で出来ているのか?」


「ちょっと完全にどういった経緯で出来たかまでは覚えていないですけど、あるんですよ。水晶の洞窟」


「ほう、それは見てみたい物だ」


「だから、今、面白い物見学の旅に出るのに準備しているのですから、ちょっと待ってて下さいよ」


「そうか、すまぬすまぬ」


織田信長は珍しく謝っていた。

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