番外編・茨城の5月・ゴールデンウィーク・みどりの日・特別SS
「マコ~、また花見?」
「おっ、今度はツツジとシャクナゲだ」
「桜の花見したばかりじゃん、マコ~」
花より団子のお江は花にはあまり興味がない様子だったが、茶々は、
「では、野点の準備をいたしましょう」
野点セットを準備してくれていた。
「梅子、桃子、鶏を絞めましょう。唐揚げを作って、お弁当です」
桜子も乗り気だ。
「真琴様?」
「ん?なに、お初?」
「昔っから、お花見などはお好きなのですか?」
「そうだね、茨城はなにげに花の名所が多かったんだよ。正月があければ水戸の偕楽園の梅が咲いて、梅が終わると、茨城各所の桜、桜もいろいろな種類で5月まで楽しんだかと思えば、古河では桃が咲き誇って、北茨城と言う地の花園神社ではシャクナゲが咲いて、笠間とかで真っ赤につつじが咲いて、あっ、笠間だとそのツツジの季節に大きな陶器市と言って笠間焼のお祭りがあったんだよ。ひたちなかと言う地では、ネモフィラって真っ青な花が丘一面に咲くんだよ。それが、真っ青な空とよく調和してね美しいんだよ。それが終わると水郷の里の潮来の菖蒲が綺麗でね、御祖父様、御祖母様によく連れて行かれたものだったよ」
「ん~そう言う、花などの絵を描いたら、文句もないのに」
「え~書くなら、お満開の花を背景に美少女描くよ」
「真琴様、『満開』に、『お』を付けると気のせいか卑猥に聞こえますが?」
「え?そう?」
にっこり笑みで返すと、お初に尻を蹴られた。
「わざと言ってるでしょ」
「違うって、一生懸命咲く花に向かって敬畏を込めて言ってるのに」
「そうなんですか?」
「そうなんです」
「未来の方々は、みなその様に言うのですか?」
「ん?言わない」
「やっぱり、わざと言ってるでしょ」
お初は扇子を握りしめて、叩こうと追いかけてくると、
「お初、あなたも茶道具の準備を手伝いなさい。真琴様が卑猥なのは今に始まった事ではないのですから」
茶々はもう諦めているようだった。
青い澄みきった空の下で様々な花を愛でるピクニックをした。
懐かしいなぁ~ゴールデンウィーク、家族とこうやって出かけたなぁ~。
今は、俺が作った家族と花見。
今度は、菖蒲かな?あじさいかな?
でも、こうやってゆったりお花見出来るのは幸せなんだな。
いつまでも続くと良いな。
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