第888話 戦後処理

 イスタンブールに戻ると、左甚五郎一派が宮殿の再建を見事に終わらせていた。


綺麗な壁の装飾の中に萌な美少女が所々に飾られていたのは、皇帝アメフトスの命らしい。


左甚五郎一派にはキタイバラキ半島に向かって貰った。


「甚五郎、ド派手にやってくれ。うちの蔵に眠る金銀宝石、ふんだんに使ってな」


「好きなだけ使えるって職人には腕が鳴る見せ所の仕事ってもんでぇ~」


と、左甚五郎は腕まくりをして旅立っていった。


一時クリミア王国に支配権を取られたギリシア・ブルガリア・ルーマニア。


前田慶次と石田三成の働きで取り戻せたわけで、すべてをこちらに取ると言う事も出来たが、ブルガリアをオスマン帝国に返上、ルーマニアはスロバキア王国に編入、コンスタンツァに石田三成を置き、ギリシアもベロボネソス半島の一部に大日本合藩帝国の港町の割譲をし、残りをオスマン帝国に戻した。


前田慶次はイタリアに帰り、家督を嫡男・安太夫正虎に正式に譲り、隠居生活となった。


俺は、前田安太夫正虎に『前田慶次郎正虎』と、改名しイタリア藩二代藩主になるように命じた。


真田幸村も、ほぼほぼ仕事を終えたので、シチリア島に帰らせた。


「常陸様、この度のことなんと御礼をしたら良いのか本当に言葉が見つかりません」


と、皇帝アメフトス感極まっていた。


「大日本合藩帝国になにかあったときに助けてくれれば良いのですよ」


「未来永劫、末代まで、御約束させていただきます」


「しばらくは東に気を付けて下さい。時が来たらまた動き出すかと」


「わかりました。インダス川近くにでも要塞を築き、牽制いたします」


「インダス川・・・・・・一度行ってみたいんだよなぁ~」


「我が国は常陸様をどこでも歓迎いたします。行きたい地があるならどこえでも案内させていただきます」


「その時はよろしく頼んだよ」


と、いつまでも続く別れの挨拶をそこそこにして、再び地中海に船を漕ぎ出した。


「常陸、約束は覚えているだろうな?」


「はいはい、覚えていますよ、信長様」


「ならば、儂はここへ行きたい」


と、地球儀を指さした。


そこは、


「げっ」


と、思わず声がでてしまう地だった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る