第884話 大五芒星の結界

「かけまくもかしこきいざなぎのおほかみつくしのひむかのたちばなのをどのあはぎはらにみそぎはらへたまひしときになりませるはらへどのおほかみたちもろもろのまがことつみけがれあらむをばはらへたまひきよめたまへとまをすことをきこしめせとかしこみかしこみもまをす」


・・・・・・クリミア半島の中心部に築かれた城塞都市に入る前暗闇に乗じて近くまで入った。


敵は負けが濃厚となり混乱の最中。

うちの多くの忍びを使えば侵入はいともたやすいことだった。


「常陸、なにをしているのだ?」


と、もう、この元気なおじいさん織田信長、少々大人しくしていて欲しいよ。


「黙って見ていて下さい。『つくばのやまにおわしますいざなぎのおおかみいざなみのおおかみのおちからをおかしくださいますようくろさかまことねがいたてまつります』えいやーーーーー」


と、地面に俺の愛刀・童子切安綱刺した。


すると、


「なんだこれは?空気が変わった」


と、織田信長が驚いていた。


「あっ、信長様、これ初めてでしたっけ?妖魔封滅浄化邪気退散の術、昔、浜松城でも使ったんですけどね。あのときは取り逃がしちゃって。今回は五芒星を使って半島ごと封印したので取り逃がしはいたしませんよ」


と、言うと、


「なるほどの、御神力を込めた刀を使っての五芒星で、陰陽の力か・・・・・・昔、いらぬ力だと言ったものだがな・・・・・・訂正せねばなるまい。陰陽師・黒坂真琴」


「はははははっ、今更やめてください。さてと、あとはアナスタシア・リュリークの首を取りますよ」


と、城塞に攻め込んだ。


敵の兵士達は気に当てられ大半が倒れて気を失い、また発狂する者、敵味方の分別がつかない者が切り合いになり地獄絵図のようになっていた。


そこになだれ込むと、数少ない正気に戻っていた敵の兵によりアナスタシア・リュリークは捕縛され、アンカラは発狂して苦しんでいた。

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