第879話 黒海戦戦術

 俺が率いる艦隊は大小様々な船を合わせて100隻以上となる大艦隊となっている。


コンスタンツァを目指す森蘭丸・伊達政宗艦隊がおおよそ40隻だ。


こちらは若干遠回りにはなるが飛行艇で、水面を警戒しながら進める分、進軍が早い。


柳生宗矩が抑えているサムスン港に食料などの補給と情勢を聞く為寄る。


「御大将、クルジア付近までの領主はオスマン帝国に従うと使者と人質が来ております」


「そうか、言う迄も無いだろうが使者、人質は丁重にな」


「はっ、わかっております。して、進軍はいかがいたしましょう?」


「いや、陸の部隊ここで牽制で良いだろう。それより潜水艦隊を動かしたい。シュピリッツァは信用できそうか?信用できそうならここを任せて、宗矩には乗船してもらいたいのだが」


「はっ、シュピリッツァは御大将に自らの娘を人質に出すと言っております。その・・・・・・側室にと」


「側室はもういらぬ」


「そう言うと思っていましたよ。しかも御大将の好とはかけ離れた筋肉隆々の娘でして」


と、庭先に目をやると、その先には大きな剣を軽々と振るう、まるで平成時代霊長類最強と言われたレスリング選手みたいな髪の長い女性がいた。


見ていて、すがすがしくなるかっこよさを醸し出していたが明らかに好とは違う。


「うむ、人質として乗船させよう。紅常陸隊が多い艦に乗せておけ」


「はっ、そのように手配いたします」


シュピリッツァの娘、サマーラは潜水艦・金毘羅・艦長・東住美帆お預けとした。


潜水艦は一人で奪うには不向き。


大きな剣など振れないので中で暴れられても銃で応戦できる。


しかも、もう長年戦いに挑んできている東住美帆なら任せられるというものだ。


「このまま沿岸に打撃を加えながら進みますか?それとも直接クリミア半島を?」


「森蘭丸・伊達政宗艦隊と同時に攻めたい。北の陸続きと東の陸続きを同時に攻め落としたいからな」


「では、我々潜水艦隊が囮になりましょう。どこか近い港を攻め出てきた敵艦隊を味方の戦艦艦隊で」


「それが、上手くいけば良いのだが、敵の艦隊をまとめている者も物量の不利にに気がついているのだろう。なかなか出てこない。おそらく温存をしてどこかで罠を張っているはず」


「しかし、敵はおおよそ30隻ほどだと」


「しかし、あの突撃潜水艦の数がわからないのがな・・・・・・」


「たしかにあれは厄介ですね」


「まぁ、対策も講じた。悩んでいても仕方がない。さっさと戦いを終わらせねば、思わぬ所で反乱の火が飛び火するからな」


「でしたら、私に少々お任せ下さい」


と、宗矩は戦術を説明してきた。


「やれるか?」


「はっ、我が潜水艦隊なら」


「ならば、やってみよう」


宗矩の案を採用した。


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