第859話 イスタンブール爆撃?
「アセナ、これを積んで」
と、飛行機の整備をしているアセナに頼むと、
「ん?ダイナマイト?うわっ、お兄ちゃんこれ駄目でしょ」
と、冷たい軽蔑の眼差しを向けてきた。
「え?駄目?」
「これ上から撒くの?」
「そうだよ、なんで?」
「なんでって、聞きたいのは私のほうよ」
と、言う。
そんなやりとりを見ていた織田信長は、飛行機に乗せようとしていた箱の中身を見て、
「ぬははははははははははははっ、馬鹿だ馬鹿だと思っていたが本当に馬鹿だな」
と、大笑いしていた。
「え?そんなに馬鹿な事ですか?」
「ぬははははははははははははっ、勘違いするな、良い意味で馬鹿だと言っているのだ。ふっ、これで相手の戦意を喪失させるのか?」
「はい、敵は寄せ集めの烏合の衆ですが、数だけは多い。おそらく俺の噂も知らないような者達が集まってきているのでしょう。逆に知っている者もいる。そこで、これを撒けば」
「明らかに文化の差、技術の差が明白になるな。しかも、空から」
「そう言うことです」
「宗矩達の総攻撃より前に撒いたうえで、総攻撃が始まったらダイナマイトに載せ替えて」
「二段構えか、文化で心を打ち砕き、実力のダイナマイトで武力の差を見せつける」
「はい、いかがでしょうか?」
「儂もこれを撒くのは・・・・・・恥ずかしいがやるか・・・・・・」
と、まじまじと手にして織田信長は見ていた。
◇◆イスタンブール敵陣◇◆
「うわ、また空に大きな鳥だ」
「ドラゴンだとか噂があるぞ、皆、上から降ってくる火の玉に気を付けよ」
「将軍、上からこのような物が降ってきました」
「うわ、なんだこれは・・・・・・少女の人形?・・・・・・綺麗な少女が描かれた見たこともない絵?なんなんだこれは」
「可愛い・・・・・・」
「なんだかわからないが、心が引かれる」
「やめろ、拾うな、拾うな、拾うんじゃない」
「こんな品を作れる者と私達は戦っていたのか・・・・・・」
「・・・・・・うちに置いてきた娘、元気かな・・・・・・会いたいな」
「うちの娘の土産にしたいな・・・・・・」
「こら、お前ら陣を崩すな・・・・・・・逃げる者など、この俺が許さん、斬ってくれる」
「邪魔すんな、だいたい世界を制したと噂が聞こえてくる黒坂常陸となんかやり合いたくなかったんだ、うちの軍は離脱するぞ、引け引け引け。引揚げだ」
「許さんぞ」
「ならば、貴様を斬って黒坂軍に寝返るまで、かかれーーーーーーーー」
◇◆イスタンブール上空◇◆
「真琴君、フィギュアに萌え絵なんてよく準備していたね」
「あ~売り物になるから学校の生徒に左甚五郎を先生として作らせていたんだよ。萌え美少女フィギュアと萌え版画」
「名工・左甚五郎が美少女彫りの造型師・・・・・・本当、真琴君って変なことさせるよね」
と、佳代ちゃんは呆れながら笑っていた。
美少女フィギュア約300体、萌え版画5000枚をイスタンブール上空から敵の陣に配り終えると、ダイナマイト補給のため一度、エーゲ海の艦隊近くに着水した。
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