第806話 新たな旅立ち

「桜子から聞いたわよ、珍しいわね、天変地異の前触れかしら」


と、言いながらもにこやかに機嫌が良さそうな、お初。


茶々達三姉妹は織田信長と共にアドリア海のクルージングの旅を終え帰ってきた。


「マコ~本当、珍しいね。美少女の使者が側室になりたいって来たのにどうして帰したの?」


「もう、二人は俺をなんだと思っているんだ?」


「性欲の塊」


「うっ、お初」


「舐め舐めお化け」


「お江、それは昔の事だろ。っと、に」


「真琴様、お体の具合悪いのですか?」


「茶々まで変なこと言わないで。すこぶる元気。今回来たのは、ロシア帝国の使者で自ら人質になると来たけど、なんか嫌な感がしたんだよね。漠然とした嫌な感」


「へぇえ、陰陽力ですか?」


「ん~・・・・・・いや、人としての気質が俺には嫌なタイプかな。確かに美少女ではあったけど、嫌なものは嫌」


と、答えると若干心配そうに三人は俺の下半身を見てきた。

俺が性欲減退、体を壊しているのではないかという心配の目。


「御三人様、御主人様は『残りの人生、今いる側室達と仲良く暮らす事を考えるほうが俺には重要だし』と、申されてましたよ。私も会いましたが、あの方とは仲良く出来そうにありませんでした」


と、桜子が言うと、


「ふぅ~ん、そんな風に思ってくれているんだ」


と、お初がにやついていた。


「うん、みんな仲良くが良いよね、マコ~」


と、お江は後ろから首に手を回し抱きしめてきた。


「でも、よろしいので?御使者を帰して」


と、茶々が聞いてきた。


「うん、ロシア帝国は、もう大決戦出来るほどの軍事力はないみたいだし、あとはバードリ・エルジェーベト女王に任せようかなと。これ以上ヨーロッパへの干渉は止めようかなと思っているんだよ。イタリアの前田慶次とドイツの前田利家、イスパニアの蒲生氏郷、シチリアの真田幸村、この四人がいればどうにかなるし、スロバキア王国が石田三成によって国力を蓄えれば安定すると思うから」


「そうか、ならここに留まる必要はないな」


「あっ、信長様。はい、あとは任せようかなと思っています」


「よし、なら死海に行くぞ」


「ははははは、どうしても行きたいんですね。まぁあ、俺も死海はちょっと手に入れておきたい物があるので行きますか。それにエルサレムも見ておきたいし。宗矩、オスマン帝国アメフトス殿に書状を出す。早船で届けさせてくれ」


オスマン帝国皇帝アメフトスに観光でエルサレムに向かうので、よろしくと手紙を書いて、一度カイロ大使館を目指した。

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