第805話 アナスタシア・リュリークの野望

 黒坂常陸に続いて石田三成にも相手にされなかった。


悔しい、悔しい、悔しい。


この憎しみをどこに向けるべき?


・・・・・・ロシア帝国は、もう戦うだけの力がない。


ならば、逆を見る。


そう、そうよ、大日本合藩帝国に次ぐ力を持つ国、ロシア帝国に攻め込もうとしていた国、オスマン帝国。


オスマン帝国も黒坂常陸のせいでロシア帝国に手出しが出来なくなる。


そうなると黒坂常陸が邪魔でしかない者が居るはず。


その者を使えば・・・・・・。


ふははははははは、そうよ、オスマン帝国のパシャを手玉にすれば良いのよ。


そして、オスマン帝国皇帝を抹殺して、さらに黒坂常陸を抹殺、そうすれば私は世界の頂点。


目指すはオスマン帝国。


ロシア皇帝からの停戦の使者として行けば入り込める。


危険な賭だけどやってみる価値はあるはず。


私はオスマン帝国首都イスタンブールに入ると皇帝の拝謁まで二週間かかると言われた。


その間に、家臣を使って調べさせると、皇帝アメフトスの黒坂常陸贔屓を良しとしないパシャを見つけた。

その者の屋敷にお忍びで向かった。


「アンカラ様、お初にお目にかかります、ロシア帝国使者アナスタシア・リュリークです」


「何ようかな?」


「皇帝陛下にお目通りする前に、皇帝陛下の側近のあなた様と昵懇になりたくて」


「昵懇?不思議なことを言いなさる、私はロシア帝国を攻めようと陛下に申しているのに」


「だが、黒坂常陸のせいでそれは出来ない」


「あぁ、そうだな。陛下は黒坂常陸の顔色を気にしておられる」


「黒坂常陸が憎いのね、わかるわよ」


「憎いなどとは・・・・・・」


「だが、邪魔。黒坂常陸がいなくなれば極北のロシアより美味しいアドリア海沿岸攻めも出来る」


「・・・・・・ロシア帝国から目をそらすために、そのような事を?」


「あっははははは、ロシアなんてどうなったって良いわ。今、大日本合藩帝国が支配している国々を奪い取りたいのよ。それには、あなたの力が必要。どう?私はあなたに、この体をあげるわ。その代わり貴方は私に力を貸してちょうだい。私とあなたが手を組めば必ずや世界に覇を唱える事が出来るわよ」


と、スカートをめくりあげた。


ゴクリと唾を飲み込むアンカラ。

そうよ、男はこう言う反応でなければならないのよ。


テーブルに腰を下ろし股を開いてみせる。


「さぁ、好きにして良いのよ。さぁ・・・・・・」


私の美貌で落ちない男なんていないのよ。そう奴らがおかしいのよ、これが本当の男よ。


アンカラは私の体を好き勝手にした。


私は崇拝するサキュバスの力を使い、この男の生気を絞りつくし、私の虜、操人形にした。


ふははははははは。

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