第756話 ダイナマイトと賞
城に入り一っ風呂を浴び、茶々に茶を点てて貰い一息をついた。
「もう、信長様、ちょっと無茶しすぎですから、佳代ちゃんも言われるがまま作らないの。んな。ロケット発射台まで城に作っちゃうなんて無茶して。なに、火薬も改良したの?」
と、聞くと、
「うん、ダイナマイトも作っちゃった」
と、舌を出して笑った。
タイムマシーンを作り上げてしまうような科学者ならたやすいことだろう。って、ダイナマイト・・・・・・?
「あれ、それって?」
「うん、アルフレッド・ノーベルが発明したやつ。まぁ、私が作ったのはそれよりも強力なのとか、いろいろ用途に合わせられる火薬を作ってしまったのだけどね」
と、軽々しく言った。
「うわ~ノーベル賞ない時間線になったじゃん」
と、言うと磯原佳代は
「ん~この時間線ならおそらくアルフレッド・ノーベルよりもっと早くに開発されているんじゃないかな?真琴君の偏った知識ではあるけど、文化・科学は早く発展している訳だし」
「でも、佳代ちゃんの時間線ではあるんだよね?ノーベル賞」
「うん、科学では最年少で私が貰ったノーベル賞」
「う~~、代わりとなる賞を考えなきゃ・・・・・・」
と、悩んでいると、茶々のお茶を飲み抹茶ティラミスを食べながら
「おぬし達はさっきから何を悩んでいるのだ?」
と、織田信長は言う。
「あ~電子辞書でノーベル賞を調べて下さい。その賞がなくなってしまうんですよ」
と、言うと信長は電子辞書で調べ
「うむうむうむうむ、ほ~面白い賞があるのだな。この者より早くそのダイナマイトを作り上げたなら、磯原佳代の賞にすれば良いではないか?」
と、軽々しく言う。
平成時代線を生きてきた俺と佳代ちゃんはノーベル賞の重みから、その考えを口に出せないでいた。
「う~磯原佳代賞?磯原賞?佳代賞?」
と、言うと、
「私、思ったんだけど真琴君の側室として結婚したのよね?だったら、黒坂佳代のはずなんだけど」
「あっ」
そう、どうもこの時代は女性はあまり苗字を名乗らない物だからそれに慣れすぎていた。
「うむ。なら、黒坂賞で良かろう。なにを悩むことがある。黒坂賞で決まりだ」
と、信長は決断してしまった。
「よし、これより、科学、医学、農業、建築において、功績を出した者には『黒坂賞』を与え小判1000枚を与える」
小判1000枚1億円だ。
「そこに、文化、芸術を加えて下さい」
と、信長に進言して、科学、医学、農業、建築、文化、芸術の六分野に賞を与えることが決まったが、しばらくの間、その賞を取るのは俺の周りの者だったのは、想像の範囲内だった。
黒坂賞初受賞者
科学・ガリレオ・ガリレイ(天文学への功績)
医学・小滝・小糸姉妹(漢方薬の功績)
農業・真田幸村(農業改革の功績)
建築・左甚五郎(耐震性建築改革の功績)
芸術・狩野永徳(西洋と和の融合の功績)
文化・前田利長(萌文化発展の功績)
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