第712話 信長と電子辞書
「昔、常陸が持っていた物と似ているな」
と、言ってのぞき込んできた。
「あ~これは電子辞書と言って、いろいろな物の説明などが入っているんですよ。佳代ちゃんが持ってきてくれて」
「佳代?そう言えば、そこの女子は初めて見るな」
と、一緒に食卓を囲んでいる磯原佳代を見る。
今日の食卓は、織田信長と俺とお初、お江、桜子、そして、磯原佳代。
どんな会話をしても問題がないメンバーだ。
「お初にお目にかかります。黒坂真琴の側室となるべく未来から追ってきた磯原佳代と申します」
と、言うと珍しく織田信長は目を大きく見開き驚きの表情を見せた。
「ぬははははははははははははっ、未来から追って来た?ぬははははははははははははっ、面白い女子もいる者だの、常陸、男冥利に尽きると言う物だな」
と、手を叩き珍しく上機嫌を見せた。
「して、その電子辞書とやらは、常陸が持っていた板とはちがく使えるのか?」
「あっ、はい。これはこれに記憶させる媒体が入っているので、電波がなくても使えるんです」
と、俺が自分のを渡そうとすると、
「あっ、真琴君待って、予備があるから」
と、磯原佳代は自室に取りに戻り、同じ物を持ってきた。
「織田信長様に一台差し上げてはいかがでしょうか?」
と、俺に手渡されたので、
「あっ、なら献上します」
「ん?良いのか?」
「俺の分はあるし大丈夫です」
と、手渡し使い方を説明する。
佳代ちゃんが改造というのか自作レベルの電子辞書は、戦車が踏んでも壊れない某時計メーカーとコラボしたんじゃないか?と、思える物で頑丈。
しかも、ソーラーパネルと振動発電をするから電池の心配もない。
しかも、指紋認証付き。
「ぬぉぉぉぉぉぉ、このような物が月に行くのか?」
と、宇宙船を織田信長は見ているようで感動している。
「暇つぶしに良いでしょ」
「暇つぶしどころではないぞ。これは凄い」
「指紋認証付きだから、もし落としても悪用されないし。信長様の未来への興味をこれで埋めていただければ」
「ありがたく受け取ろう」
と、熱中してしまったようで、織田信長はひたすら読んでいた。
「伯父上様、食事の後になさって下さい」
と、お初に注意されていたのが笑える。
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