第707話  バードリ・エルジェーベトの帰国

「オルショリャには、ずっぽり入れてる?」


と、挨拶代わりの下ネタを炸裂するスロバキアに向かう途中、バードリ・エルジェーベトは欧州イバラキ城に立ち寄った。


「第一声が下ネタですか?」


「挨拶よ。くくくくくっ」


「相変わらずで何より」


と、言うとバードリ・エルジェーベト頭を深々と下げた。


「私がチェイテ城に戻れる日が来るとは夢にも思いませんでした。本当に感謝いたします」


と、真面目に御礼を言ってきた。


「良いんですよ。俺の世界戦略、新秩序の構築の一環なんですから」


「そうわ言っても御礼をしなければ」


「あなたは仮にも私の義母になりますからね。オルショリャの母親なので」


形式上側室は側室と呼んではいるが、側室を皆分け隔てなく第●夫人と言って良い扱いを俺はしている為、側室の母親は義母と一緒だ。


「良い娘婿だわ。本当は私が穴に入れられて欲しいけど、今は無理」


「ん?今は?」


「お腹に羽柴秀吉の子がいるの」


「えええええええええええええ!浮気?」


「してないわよ。不思議よね。私に出来るなんて」


「年齢って確か56歳?57歳?大丈夫なんですか?」


バードリ・エルジェーベトは見た目はもの凄く若い。

たが、実際は還暦前のはずだ。


「この身が危険にさらされようと無事に産んでみせるわ」


「・・・・・・頑張ってくださいとしか言いようがないですけど・・・・・・」


平成の時代であっても間違いなく高齢出産だ。

この時代でそれをすることは一歩間違えばすぐにあの世行き。


「学校の生徒で医術に長けた者の同行を命じさせます」


「あら、良いの?」


「はい、なにもしないで死なれたら目覚めが悪くなりますから」


と言うが本当に心配だ。


「ありがとう、感謝するわ。やはり常陸様にはなにか御礼を考えなきゃ。金銀財宝なんていっぱい持っているから、やはり女よね?」


「あ~もうほんと良いから。兎に角、大切にしてください。揺れが多少軽減されるうちの船で送らせます」


と、波の影響を受けにくい潜水艦で送らせることとした。


「母上様、私も強い子を産みますから一緒に頑張りましょう」


「・・・・・・?はっ?」


オルショリャの顔を見ると、オルショリャはうれしそうに母親のお腹を触りながら、自分自身のお腹を触り、


「同じ年生まれになりますね」


「オルショリャ~~~妊娠したの?」


「はい」


「うおぉぉぉぉぉぉぉ、おめでとう」


と、俺は歓喜した。


磯原佳代が持ってきてくれたブルーのお薬のおかげだ。・・・・・・はっ!もしかして・・・・・・。


「バードリ、もしかして佳代からなにか貰いました?」


「はい、発電機設置、通信機設置の依頼の時に秀吉に飲ますと良いですよって」


・・・・・・羽柴秀吉、頑張ったのね。


うん、もう無理するなよ。


そう願うしかなかった。

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