第693話 チート過ぎるヒロイン
衝撃的な潜水艦登場から一週間で、蒸気機関外輪式推進装置付機帆船型鉄甲双胴型戦艦が2隻も届いた。
潜水艦はスクリュー式として完成していたが、蒸気機関外輪式推進装置付機帆船型鉄甲双胴型戦艦は生産効率を優先して戦艦・伊弉諾尊と同型艦だった。
潜水艦と新しく着陣した船を見ると驚くべき事に、発電機、電球、そして、
「モールス信号機?」
艦橋の司令室に映画とかテレビでしか見たことがないモールス信号機が取り付けられていた。
「私にかかればこのくらいはすぐに作れますよ」
と、べったりとくっついている佳代が言う。
佳代が左腕をしっかりと抱き掴む物だから、お江が対抗意識を燃やして右腕をしっかりと抱きかかえていた。
動きづらい。
「えっと、これで茨城と通信出来るの?」
「来る途中中継局の設置を頼んできましたから、おいおいと出来るはずです。小型水力発電機を配ってきたので、その設置が済むのに少々時間が必要かと思うわ」
「未来知識チートじゃん、すげー。俺、原理はわかっていても作れないもん。生きているうちに完成すれば良いなって思っていたのに」
一人の天才科学者が来てしまえば、うちの工業力と合わされば実現可能なことは多い。
「佳代ちゃん、常陸国営技術開発研究製作所の開発部部長をお願いするよ」
と、言うと、
「ふふふふふっ」
と、笑い出した。
「なにか面白いこと俺、言ったかな?」
「違うの。未来での私の役職も常陸国営技術開発研究製作所の開発部部長なのよ」
と、笑った。
「えっ、未来に俺の会社続くの?」
「そりゃ~もう大企業だよ。ネジ1本から人工衛星宇宙ステーションまで造る大企業。創設者・黒坂真琴だよ」
「う~この時間線の未来って俺、すごいことになっているんだね」
「国営放送で大海ドラマで『萌え萌え副将軍』が人気でね、平均視聴率80パーセント、最終回は白い嵐に消えていく黒坂真琴に大勢が涙してね、次の日、黒坂ロスで株価大暴落して世界恐慌になりそうなくらいだったんだから」
おいおいおいおい、なんなんだよ。その『萌え萌え副将軍』ってとあせっるしかなかった。
その話は後々聞くとして、潜水艦と蒸気機関外輪式推進装置付機帆船型鉄甲双胴型戦艦の艦長を決める事を優先した。
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