第677話 萌示録の口
・・・・・・トレビの泉は意外に時代が浅く存在せず、俺が作る事で『萌ヴィアーンの泉』となってしまった。
そしてもう一つ有名な観光名所、『真実の口』。
ジブラルタル城を蒲生氏郷の息子の蒲生秀行に引き渡し、ローマの観光を楽しむ側室達と共に真実の口を見に来た。
真実の口は作られており、お約束の手首から食べられてしまう演技をすると、お初は冷ややかな目で見、お江は笑いながら指差し、桜子は真実の口に自分も手を入れ、小滝は包帯を用意し、ラララは真実の口に槍を向け、アセナは焦り、ミライアは沈黙してしまった。
あの名作映画のお姫様のような口を抑えて驚いてくれるほど純粋な姫様はいないのが残念だ。
「マコ~これもマコらしいの作っちゃおうよ。これはこれとして大切に扱いながら新しい物。萌の黒坂真琴が統治しているんだから」
と、俺としては嬉しい提案がされるがお初がお江の頬を抓っていた。
「痛い痛い痛い、初姉上様やめて~」
「真琴様の萌趣味に毒され過ぎてますよ。お江」
と、お初は怒っていた。
その晩、お江が俺の執務をしている部屋に来て、
「マコ~これの口の像作って良いでしょ?私のお金からだすから」
と、一枚の俺が以前に書いたイラストを差し出す。
そのイラストは世界を混沌に返す大魔法を使う貧乳少女の食事風景を書いたイラストだ。
大きな口が開いている。
「お江、勝手に持ち出すなって、まぁ~お江の小遣いで作るなら俺は何も言わないぞ。真実の口は未来では複製品が世界各地で飾ってあるからな」
真実の口はコピーの品は数多作られ占いマシーンや、手の消毒マシーンになっている。
真実の口のありがたみは薄い。
「じゃ~作るね~、初姉上様に見つかったら一緒に怒られてね~」
舌をぺろっと出して部屋から出て行った。
「おいおい」
と、思うが今更だ。
お江が作らせた新真実の口・・・・・・口の中には異世界黙示録、クレアバイブルでも納められているのかと、腕を肩まで入れても壁に手が付かない深い物が完成した。
お初はもう呆れて、
「お江、無駄遣いしない!」
と、お江の頭にゴツンと軽く拳を当てていた。
「命名、萌示録の口」
と、呟くと俺の頭にもお初の怒りは落とされた。
痛い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます