第664話 演劇

 統治する者として娯楽を考えるのも実は重要だ。


異国では民衆の不満を矛先を剣闘士をコロッセオで戦わせたり、闘牛をしたりなどで怒りという感情の矛先を転換させてきた。


ローマ帝国はテルマエと言う大きな入浴施設を作り癒やしを与えたりもした。


そして、中世ヨーロッパでは演劇という娯楽で喜怒哀楽の転換を与えている。


俺が大好きだったアニメやラノベだってそうだ。


自分自身ではかなえられないような事をアニメやラノベ、漫画で二次元という世界で経験させてくれていた。


それを作り出す作者、絵描き、クリエーター、アニメーターは本当に尊敬できる芸術家だと思っている。


時に異世界冒険者であり、時に青春ラブコメであり、時にSF物であり、時にファンタジー。


夢や希望を与え、そしてストレス解消になる。


さらには、音楽という感情を込めた代弁を奏でたりする歌手や楽団もまた尊敬に値する。


今はシェイクスピアは描く劇が絶賛されている。


確か四大悲劇として『ハムレット』『マクベス』『オセロ』『リア王』が平成時代でも上演が続けられる。


俺は悲劇的より喜劇的な物を愛している。


楽しい物が良い・・・・・・自分が知っている物でこの時代の人が理解でき楽しめる物を考える。


・・・・・・水戸黄門・・・・・・。


茨城県民が愛する水戸黄門が頭をよぎった。


水戸黄門をアレンジして演劇をさせるのはどうだろうか?


うちでは学校がある。


そこの生徒たちの希望者を集め宝●歌劇団のように女性だけの演劇集団を作ると言うのは悪くはないはず。


それと同時公開で、静の演劇の極みたる能と言う日本独自の演劇も併せて見せる。


静から動と言う両極端の物が作れる文化の高さを見せつける。


いや、単純に民たちに楽しんで貰いながら他国の文化を見る機会を与える事で、他国を身近な物と感じて貰うことも良いかもしれない。


オーストラリアの民達の音楽を聴かせたり、ミクロネシアの民の踊りを見せるのだって良い。


よし、各国の学校に手配しよう。


・・・・・・能・・・・・・俺やらないんだよな・・・・・・誰か適任者・・・・・・?


能楽と言えば世阿弥だが確か200年近く前の人物だった気がする。


ん~前田慶次に聞けばわかりそうな気がするが、アドリア海の制海権を確保する仕事を与えているし、そろそろ年だし仕事増やすのは良くないだろう。


ほかに誰か・・・・・・いた、いたよ、能にすっごいお金掛けちゃう俺に親しい人物。


南アメリカ大陸にいるはず、呼び寄せるか。


戦力の増援もしたいしちょうど良い。


一度ジブラルタル城に戻って事を進めよう。


「又右衛門、五日後に一度ジブラルタル城に戻るように支度を手配させよ」

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