第663話 新家臣・荒木又右衛門保知

 ブリンディジを占領したと前田慶次からの使番が欧州イバラキ城に帰城してすぐに手紙を持ってきた。


『目的地は占領いたしました。地中海の制海権確保の為、海峡封鎖を始めます。御大将この使番を小姓に推挙いたします』


と言う内容だった。


「ん?小姓に推挙?聞いているのか?」


まだあどけなさの残る顔立ちの青年は俺の前で恐縮して固まっていた。


「そう緊張するな。名と年を申せ」


「はっ、はい。荒木又右衛門保知(あらきまたえもんやすとも)年は12になります」


・・・・・・荒木又右衛門・・・・・・???


「鍵屋の辻、キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」


思わず大声で叫んでしまうとジュースを持って入ってきたアセナは驚きジュースをこぼして怒り、天井に張り付いていたお江は落っこちてきた。


「マコ~、声大きすぎるよ~。鍵屋?鍵屋を呼ぶの?」


知らないのは当然だ。


俺の知る歴史線上の江戸時代三大仇討ち事件の一つ。


確か柳生宗矩の弟子だか孫弟子で剣豪のはず?


ん?戦国時代オールキャスト家臣が終わったイベントだと思っていたけど、次は剣豪家臣オールキャストか?


「私めは小姓に取り立てていただけるのでしょうか?」


と、不安な表情を見せていた。


「ぬはははは、良いぞ勿論だとも。本日より小姓を命ずる。荒木又右衛門保知、仕事は伊達政道から教わるように」


と、命じて一度退室させるとお江が、


「マコの知っている荒木又右衛門保知ってどんな人なの?」


と、聞いてきたので鍵屋の辻の仇討ち事件で大活躍の話をすると、


「それお芝居にすれば良いのに~、この欧州ではお芝居が流行りみたいだよ。確かね~シェイクスピアとか言う人が作ったお芝居が流行っているよ。マコは文化的にも上位に立ちたいんでしょ?だったらそういうの書いてみたら?」


「・・・・・・・シェイクスピア?・・・・・・この時代の人だったのかよ、知らなかった」


演劇か?


文化侵略としては考えても良い要素だな。


萌え侵略だけでなく江戸時代に確立する歌舞伎を上演するのも悪くはないかもしれない。


ん~昔はラノベ書いていたから書けなくはないか?鍵屋の辻はおいといてなにか考えるのも良いだろう。


そう言えばあの黒歴史はちゃんと消去してくれているかな・・・・・・。

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