第635話 サルデ-ニャ島カリャリ攻略戦・その1
今回の総大将の真田幸村の命令通り、カリャリを前田慶次殿とド派手に砲撃を繰り返した。
不動明王艦に前田慶次殿の摩利支天艦から小舟が出され、経津之介信海様が乗船してきた。
「宗矩殿、そろそろ上陸作戦に切り替えては?」
「経津之介様、これは敵を引きつける役目と同時に、我が軍の艦砲射撃がどれほど強力かを見せる為の艦砲射撃なのですよ。ごらんください」
と、経津之介信海様に望遠鏡を渡し、北東付近の海を指さし、見るように促す。
そこには複数の軍艦と思われる船がこちらを監視しているように見えた。
「敵?」
「いや、おそらくオスマン帝国の船、仲間と言えば仲間ですが、こちらの様子をうかがっているのでしょう。艦砲射撃の噂は耳に入っているが、その噂がどのくらい真実なのかを」
「そうか、あちら側にこの艦船より勝る大砲が積んでいれば、敵になる可能性だってあるわけですね」
「そう言うことです。ですが、今はまだうちのアームストロング砲のが上、それを見せつけ掌をひっくり返したくはないように見せつけておかねばなりません」
「父上様に実の妹を側室に出しておきながらも野心は消えず・・・・・・」
「失礼ながら、御祖父の浅井殿は織田信長様の妹をもらい受けながらも、裏切りました。オスマン帝国側としては御大将が裏切らぬか心配なのでしょう」
「父上様はオスマン帝国の宗教や民族に寛容な政策を高く評価しています。裏切るはずがないのに」
「一度、オスマン帝国皇帝アメフトス様と御大将が腹の内をさらけ出して話し合う機会があったほうが良いのかも知れませんね」
「その前に、私が再びオスマン帝国皇帝アメフトス様にお目通りいたします」
「御大将の御子息が使者というのは良いことではありますが、今はその時ではありません。さあ、摩利支天にお戻りください」
経津之介信海様が摩利支天に戻ると、艦砲射撃はさらに勢いが増した。
そして、カリャリ港は大爆発を起こして沈黙した。
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