第588話 発電機開発
「殿様、こんな雷様を作る機械なんて驚きだ」
国友茂光が俺が書いた設計図を見せると驚いていた。
俺の家臣では電気と言う概念は俺が作った城の避雷針のおかげで雷鳴が電気であると、言うくらいの知識はあり、目に見えない物や、絵に描いた餅などではない。
「殿様、このような大がかりな機械を作るなら常陸の国の工房じゃなきゃだめだ」
左甚五郎も設計図を見ながら考えていた。
今回発電機として俺が描いたのはダイナモー式と言われる銅線で作ったコイルを磁石の周りを回転させるタイプ。
「そうか、ここだと工房その物を作らないとならないからな、なら、常陸で試作を開始してくれ。世界の東から西に行ったり来たりさせて悪いな」
「何言ってんだ。殿様、あっしらは殿様の不思議な物の具現者となれて職人冥利に尽きるってもんで。そう言えば、スクリュー式推進装置の試作が水漏れもなく成功したので、戦艦に取り付ける大きな物を製造してますぜ」
と、国友茂光が設計絵図を見せてきた。
双胴船にスクリュー式の推進装置を付けた大型艦。
「そうか、出来るか、ならこの船はKING・of・ZIPANG Ⅴ号と名付けてくれ」
「上様に献上なさるのですね?」
「そう言うことだ、出来るなら発電機を取り付けてモールス信号機も付けたいのだが、流石にそこまではいかないだろうな」
「モールス信号機?」
「通信機だ、世界中を見に見えない手紙で瞬く間に連絡する機械なのだが」
「ほえ~本間、殿様の頭の中はどうなっているんだか見てみたい」
左甚五郎と国友茂光が驚く、
「はははははっ、頭の中はみんなと一緒だよ。ただ、俺はそれの存在を知っているから。そうだな、陰陽の力で未来を見ていると言えば良いかな、はははははっ」
「未来ですか?見てみたい物です」
「未来は自分たちで作ろう。さて、本当に申し訳ない。また常陸に戻って作り始めてくれ」
「それなら、あっしだけ戻ります。一人戻ればあっちには多くの職人が育っていますから問題ありませんぜ、こっちに左の棟梁に工房を作ってもらったらいかがですか?」
と、国友茂光が提案してくれる。
「あっ、それは良いな。いろいろ作りたいし」
「萌えですね」
「萌えだな」
「萌えですか・・・・・・・お初の方様・・・・・・」
「あははははははっ、心配はない、今、お初は学校運営に忙しいからな」
と、言うと左甚五郎は、「ほっ」大きなため息を出していた。
「が、まあ一週間くらいは休んでから帰国してくれ」
二人と一緒に来た職人達を地中海で採れた魚介類でもてなししばらく休みを与えた後、国友茂光は帰国。
左甚五郎の指揮下で溶鉱炉を含む工房建設が始まった。
左甚五郎には片手間で萌え萌え装飾の馬車と、アームストロング砲を搭載できる馬車を作ってもらう。
ヨーロッパの国々を陸路で行くことも今後有るだろうと想定して。
「馬鹿ですか、こんな美少女ばかりの装飾の馬車を作らせて」
と、お初が気が付く頃には、時すでに遅し。
完成していた。
荘厳に輝く美少女達が彫刻された痛車ならぬ、痛馬車。
お江は喜んでいたのはいつものことだ。
「ぬぉーーーーーー、やめろーーーーー刀を抜くな、お初ーーーーーーーーーー!」
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