第571話 国旗・紺碧の日の出

「上様からお預かりしてきました」


と、弥助が渡して来た手紙。


『どうせ、常陸の事だろう、道草食いながら側室でも増やしているのだろう』


いや、増やしていないから、(汗)ってツッコミを入れながら手紙を読み続ける。


『さて、国旗の案だが認めてやる。

だから、ちゃんと帰ってこい。

世界を自分自身で思い描く形にしようと、この信長を利用するだけして逃げるなどとは許さぬからな』


そう言った内容が書かれている。


俺が提案した国旗は、俺が知る平成の日本の国旗とは明らかに違う物。


海を表す紺碧の布地に金色の日の出、まるで初日の出のように後光を輝かせ上ろうとする太陽を描いた国旗だ。


『日出ずる国は日入ずる国にもなった。

世界の覇権を掴もうとする国の旗に相応しい』


と、織田信長の言葉が添えられていた。


お初はそのデザインに納得していたので、うんうんと頷きながら、


「ちゃんとした絵も図案も書けるのだから、この調子で行って欲しいわよね」


と、言うと、


「え~、初姉上様、私はマコの美少女絵大好きだよ~」


と言うのでお江の頭を撫でして誉めると、お初は拗ねていた。


「さて、真田丸島の事、弥助頼めるな?」


「はっ、もちろんにございます」


弥助に真田丸島を任せ、南米大陸を北上する旅を再開した。


ジブラルタル城を目指さなくては。

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